「被災者に勇気を」 ANAが機体見学に招待 デザインコンテスト入賞 JJS小1の池田さん
全日本空輸(ANA)は3日、スカルノハッタ空港で、創立60周年記念事業として実施した機体デザインコンテストの入賞者で、ジャカルタ日本人学校(JJS)小学部1年の池田彩乃さん(7)を招待し、国際線の機体の見学会を開いた。
池田さんは、東日本大震災の被災者への思いを込め、「空から あいを」と題した作品を応募。青地の機体に描いたピアノの鍵盤から出る色とりどりの音符が花となり、冠を作って、震災で家族を亡くした人を励ますとともに、悲しんだり困っている人たちを勇気づけたいという気持ちで作品を描いた。
池田さんは震災が起こった時、マレーシアのクアラルンプールに住んでいた。テレビから流れる被災地の光景を見て、2、3日後に、被災者に宛てた「しんさいの、かたへ」という手紙の形式で、「人は人をたすけるためにうまれてきました。なので日本をさいしょのようになおしましょう。あなたがいいことをしたのをしんだかぞくがみているでしょう」という文章を自然に思いつき、それを基に今回のデザインを描いたという。震災の犠牲者が、生きている人々の取り組みを見守っているという思いを込めた。
機体説明会ではコックピットと乗客席、調理室、エンジンを見学。池田さんは「コックピットにはたくさんボタンがあるのになぜ間違えないの」「雷が落ちたらどうするの」など、熱心に案内役の整備マネジャーに質問し、説明に耳を傾けていた。
池田さんは「飛行機はよく乗るし、好き。ジャカルタも楽しい」と話す。将来の夢はお医者さん。「病気になった時に助けてくれたから。私も病気の人を助けたい」と胸を張った。
ANAの機体デザインコンテストは大賞のデザインをボーイング767―300型機の国内線仕様機にペイントする企画。世界36カ国から計7042点の応募があり、9点が入賞した。ジャカルタではJJSにも呼び掛け、任意応募にも関わらず全体の約5%を占める347作品が応募された。(赤井俊文、写真も)