「心意気を世界へ」 博多ラーメンの「一幸舎」 運営会社代表の入沢元さん

 インドネシアでチェーン展開する博多ラーメン店の博多・一幸舎を運営するウインズジャパン(本社・福岡県福岡市)代表取締役の入沢元(いりざわ・はじめ)さん(41)がジャカルタを訪れた。香港、シンガポール、インドネシアに支店を出し、今後はベトナムなどの進出も計画。豚をハラム(イスラムの教義に沿わない)とするインドネシアで、とんこつラーメンの店舗数を拡大している。入沢さんは「自分が育ってきた博多の代表として、博多の人に恥をかかせないような形で広げていきたい」と、「博多の心意気」の大切さを説いた。
 3カ月に1回ほどのペースでジャカルタを訪れているという入沢さん。インドネシアの進出を決めたのは、中学校時代の同級生である大石昌明さん(41)がインドネシアで漁業関係の仕事をしていたことがきっかけだ。
 大石さんの誘いで、2年半ほど前に初視察。11年6月にムアラ・カラン本店(北ジャカルタ・プルイット)をオープンした。当初から華人が行列を作る店となり話題に。本店は現在、改装中だが、クラパガディン店、パンタイ・インダ・カプック店、東ジャワ州スラバヤ店を次々に開き、リニューアルも含め、今年前半中に6店舗を増やす予定という。
 「日本大好き、博多大好き人間ですが、このままでは日本もちょっとまずいかなと、海外に出ていくことを考えた」と入沢さん。「博多の歴史や文化、博多ラーメンの変遷も知った上で、本物の博多ラーメンを提供していきたい。味も大事だが、まずは心意気を広めてもらえる仲間でないと一緒に仕事できない。売れればいいという考えでは困る。今までやってきたことが台無しになるので。これをきちんと伝えるのが海外の難しいところかもしれない」と話す。
 建築業界で働いていた入沢さんは、弟の友人で料理の修行を積んでいた吉村幸助さんを店主に2004年に福岡市中央区大名で一幸舎1号店を立ち上げた。元々、独立したいと考えていたが、ラーメンどころか飲食業も未経験。32歳での起業に「(博多で育ったソフトバンクの)孫(正義)さんのような存在であれば、『昔から特別だった』と思ってしまうかもしれないが、高校行かなくても、20歳ぐらいの子が『あそこにいけばすごくなれる』というような組織を作っていきたい。その分、厳しいし、サラリーマン気分で来てもらっては無理。そうでないと勝てない」と意気込んだ。(上野太郎、写真も)

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