「1年に1回の同窓会」 元駐在員ら113人集結 東京ラグラグ会が第43回パーティー
かつてインドネシアで暮らし、日本へ帰ってからもインドネシアの歌を唄い続ける元駐在員らの集い・東京ラグラグ会は八日、東京都千代田区の日本プレスセンターで第四十三回ラグラグ会パーティーを開催した。
ラグラグ会は一九七四年の田中首相の訪イをきっかけに起きた反日暴動の反省を込め、インドネシアの歌を通じてインドネシアの文化、歴史を学ぼうと七七年にジャカルタで結成。東京ラグラグ会は結成当初のメンバーが帰国した一九七八年に、参加者十三人で第一回のパーティーを開催した。以後、毎年二回、一九九〇年代以降は毎年一回、パーティーを行っている。
今回のパーティーには大阪から駆け付けたメンバーなどラグラグ会関係者百八人に加え、初参加のムハンマド・ルトゥフィ駐日インドネシア大使ら在日インドネシア大使館の職員五人も出席。「日比谷に響け! うたごえ喫茶 ラグラグ館」をテーマに、「うたごえリーダー」の下に会場に座った出席者が一体となってインドネシアの歌を楽しんだ。
東京ラグラグ会の黒岡誠一幹事長はあいさつで、東日本大震災への黙祷を呼び掛け、インドネシアからの支援に感謝の意を表明した。ルトゥフィ大使は「(北スラウェシ発祥の大衆ダンス)ポチョポチョを踊ることに驚いた。歌はあまり得意ではないが、これから練習をして皆さんと楽しみたい」とあいさつ。バタック地方の民謡「リソイ」の歌声を響かせながら、グラスを大きく振って乾杯した。
うたごえ喫茶「円芭詩(エンバシー)」では大使館のジャトミコ・プリス・ウィチャクノ商業部長が「Dibawah Sinar Bulan Pernama」を熱唱。日本人女性を妻に持つアバス・リドワン公使参事官は「来年早々に帰国する予定のため最後の出席になるが、毎回楽しみにしていた。これからもインドネシアと日本の懸け橋として活躍していきたい」と日本語であいさつした。
「ブンガワン・ソロ」や「インドネシア・プサカ」などおなじみの曲を唄い、一九七〇年代末、インドネシアに駐在した主婦らが創設した女性合唱団「コール・アングレック」とのコラボステージには拍手喝采。
「恋う時コーナー(コージーコーナー)」では、半世紀以上にわたり日本とインドネシアの文化交流活動に尽力し、今年三月に本帰国した石居日出雄さんがあいさつした。ジャカルタ日本人学校(JJS)に勤務した教師や通っていた生徒、父兄はJJSの校歌を斉唱。ラグラグ会メンバーはステージに上って「ラグラグ会の歌」を唄い、最後は肩を組みながら「サヨナラ・スラマット・ジャラン」を唄った。
一九九八年から二〇〇五年までジャカルタに駐在し、〇五年からは東京ラグラグ会に参加している副幹事の服部洋之さんは、インドネシアが好きで懐かしむ人たちが一年に一回の同窓会のように集まっているといい、「インドネシアの人も歌もラグラグ会のメンバーも好きだから、皆と一緒に歌を唄っているだけで心地よい」と語った。