【じゃらんじゃらん特集】 池の畔で読書三昧 学生たちの憩いの場 インドネシア大学図書館

 西ジャワ州デポックに広がるインドネシア大学(UI)キャンパス。昨年開設されたばかりの図書館は斬新なデザインの建築物で、150万冊の蔵書を誇る。飲食店なども併設され、学生の憩いの場となっているほか、外国人ら一般市民にも公開されており、読書三昧の1日を過ごすことができる。
 図書館は、広大なキャンパスの中にある池の畔にそびえる。外壁に植えられた植物の隙間を縫うように、ガラス窓が張り巡らされたユニークなデザインの建築物だ。昨年5月、各学部が所有していた資料センターや図書館を1つに統合した中央図書館が誕生した。
 入り口を抜けると太陽光が降り注ぎ、白を基調とした館内は落ち着いた雰囲気を醸し出す。世界60カ国の言葉が刻まれたデザインの柱は人類の英知をモチーフにしたという。ソファやテーブルがあちこちに配置されているほか、カフェやレストラン、コンビニ、書店、銀行、旅行代理店、フィットネスなども併設されている。
 蔵書は2階から4階まで、社会科学系、工学系、医療系に分類。インドネシア語、英語のほか、日本語に関する学術書も所蔵。日本関連の蔵書は、主に同キャンパス内の日本研究センターに保管されている。各フロアにはスタッフが常駐して本の検索などについてアドバイスしてくれる。館内にはアップル社製のコンピューターが約190台設置され、利用者は自由に文献探しなどに使用できる。ミーティングルームや個人学習スペース、会議室などもあり、セミナーなどのイベントも開催。7月には、「宗教間対話・平和のためのアブドゥルラフマン・ワヒド(グス・ドゥル)センター」も開設された。

■古文書も所蔵
 マタラム王国やマジャパヒト王国の古文書など、インドネシア史をたどるのに欠かせない貴重な文献が書庫に保管されている。またオランダ統治時代に西欧からもたらされた社会主義や民主主義に関する思想哲学、生態学やオランダの外交政策などに関する希少本も所蔵。室温は15度に保ち、常駐の学術調査員が手袋をはめて厳重に管理している

◇インドネシア大学図書館
(Perpustakaan Universitas Indonesia)
 ☎:021・727・0751
 開館時間:月―金:午前8時半―午後7時、土―日:午前9時―午後4時
 一般の閲覧は自由。パスポートやKITASなど身分証の提示が必要。図書の貸し出しは不可。館内の施設見学もできる。3日前までに代表者や参加者数、目的や時間などを記入して申し込む。(☎021・786・3469、メール library@ui.ac.id)

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