学習発表会「皆の心一つに」 太陽の子、未来に希望を バンドン日本人学校
バンドン日本人学校(BJS、西ジャワ州)は11日、学習発表会を開催し、幼稚部から中学部までの25人が合唱、楽器の演奏や劇を披露した。今年のテーマは「皆の心1つに PS成功目指せ 太陽の子」。1年に1回の発表会。夏休み明けから準備を始め、自分の楽器や歌のパートの練習を重ねてきた。来年卒業する中学部3年の鍋田三裕さん(14)に素晴らしい思い出を提供しようとみんなの思いが一つになった。(小塩航大、写真も)
全員で「BJS学習発表会。スタート!」と会の始まりを宣言し、開幕した。会場には我が子の晴れ舞台を楽しみにしていた保護者や関係者など約30人が集まり、子どもたちのはつらつとした表情に笑みがこぼれた。
幼稚部の演奏「雨の音楽会」。元気よく大きな声で歌い、可愛らしい振り付けを披露。会場からは「かわいい」との声が上がった。練習を積んだ鍵盤ハーモニカやマラカスでの演奏に拍手が起こった。
劇「ねずみのよめいり」も披露。娘の婿探しに出掛けるネズミの一家と婿候補として登場する太陽、雲、嵐役などとのやり取りが笑いを誘った。大きな声で緊張しないこと、長いナレーションを覚えることに専念したという。
小中学部の合唱「Tomorrow」。3部合唱のハーモニーで「希望を持って生きていく」というメッセージを込めた。恥ずかしがらずに笑顔で演技しようと練習を重ねた劇「どろぼうねずみ」。
舞台は、とある日本のどろぼう学校。授業の一環で、校長先生や教師、生徒らが街の一番大きな屋敷に忍びこんだ。しかし、お金持ちの家だと思った屋敷は街で一番大きな刑務所で、全員が捕まってしまうというコミカルな話。会場を暗くして懐中電灯を片手に屋敷へ忍び込む場面など、臨場感を醸し出す。
楽器演奏では「威風堂々」を披露。竹楽器アンクルン、リコーダー、太鼓など各自が受け持った楽器をしっかりとこなし、指先に力を入れてきれいな音を奏でた。
最後は、全校生徒でインドネシアの歌「ラサ・サヤンゲ」を大きな声で歌い、会場と一体となってフィナーレを飾った。松下安男校長は「参加した子たち一人一人が主役だった。見ていた人に感動を与えることができたと思う。これからも学校生活を一緒に頑張っていきましょう」と激励した。
卒業を控えた鍋田さんは「今年が最後の学習発表会。緊張しないよう納得するまで練習した。今日はとても良い思い出になったが、BJSのみんなと発表会に参加できないと思うと少し寂しい。後輩の子たちにこれからのBJSを盛り上げっていってほしい」とエールを送った。
また、図書室には小学部と中学部の児童・生徒が家庭科、技術や図工などの授業で作ったエプロン、照明や粘土細工、幼稚部の子どもが製作した折り紙の花畑を展示。訪れた人々は小学部6年の児童らが詠んだ短歌などにもじっくり見入っていた。