日系企業が見たプラボウォ新大統領

 プラボウォ大統領が就任して47日目となる2024年12月6日、ジャカルタ・ジャパンクラブ(JJC)は正木靖・駐インドネシア日本国大使、財団法人日本インドネシア協会訪問団と共に、プラボウォ大統領の招待による昼食会に参加した。
 この昼食会は、前日に執り行われた訪問団の代表者によるプラボウォ大統領表敬中に、「もっと企業の話をききたい」という大統領の発案で急遽設定されたもので、JJCからは理事・委員長などの役員14名が参加した。昼食会が始まる前に、大統領は参加者一人一人に対し、挨拶と握手をしながら迎えるなど、日系企業を歓迎しようとするインドネシア流のおもてなしを前面に押し出し、感銘を受けた参加者も多かった。
 プラボウォ大統領は冒頭挨拶で、「日本はインドネシアとの長年のパートナー。国際情勢が不透明だからこそ、わが国はどの国とも友好を深めなければならず、日本との関係強化を望む」と発言し、企業に投資を呼びかけた。
 私が話を直接聞くことで感じた大統領の人物像について申し上げたい。まず大統領は、過去や歴史に対するリスペクトを持っており、日本の貢献もすべて正確に把握した上で、インドネシアのすべてのパートナー国に対しオープンに接し、特に日本との良好な関係は今後も維持・強化したいと考えている。スピーチでは、部下である大臣や官僚に対して適切でユーモアある言葉で語るなど、良いリーダーであると共に、自身について謙虚に発言される場面もあった。総じて、恵まれた人的資源・天然資源に感謝しつつ、高い目標を達成しようとする強い信念と自信を感じさせ、新政権においても大統領が求心力を発揮し続けることで、必ずや様々な政策目標が達成されるだろうと期待感を持った。
 一緒に参加したJJCの役員たちの所感についてもご紹介したい。人物像については、「堪能な英語を駆使し、ユーモアも交え、経験豊富な国際派」「リーダーシップを感じさせ、熱意をもって政権運営に当たることで国民の支持を得るだろう」「大統領側近によれば、三食すべてを会談に充て精力的に活動する一方で、健康維持のための運動も欠かさぬ人物」「人を惹きつける吸引力と器の大きさが非常に感じられ、新政権に期待したい」「今日の大統領の姿とこれまで持っている人物像との間に大きなギャップを感じた」などがあった。さらに、今後の日本とインドネシアとの関係については、「大統領が異例と言える二日連続の対応をしたことは、日本側に対する強いメッセージ。不透明な世界情勢を踏まえ主要国のバランスを取ろうとする意志を感じた」「前日夕方に指示された70人以上の規模の昼食会を大統領府が実現した点から見ても、軍務経験がある新大統領のもとで、各施策について実務部隊は大統領の方針をとにかく実行しようとすると思われる。よって、JJCや日系企業とインドネシア政府トップ級との関係構築の重要性は増していく」などの見方が示された。
 今回の昼食会参加を通じて、当地で活動する私たち日系企業にとって大きなヒントが得られた。
 JJCとしては引き続き、活動方針に掲げる「未来を共創する伴走者」の実現に向け、関係者の皆さんと共に歩んでいきたい。JJC理事長 菊地原伸一 (インドネシア三井物産社長)

為替経済Weekly の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問NEW

ぶらり  インドネシアNEW

有料版PDFNEW

「探訪」

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

今日は心の日曜日

インドネシア人記者の目

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

スナン・スナン

お知らせ

JJC理事会

修郎先生の事件簿

これで納得税務相談

不思議インドネシア

おすすめ観光情報

為替経済Weekly