ミニ動物園で触れ合い ジャカルタから30分 ジャスミンパーク

 すっかりお馴染みのジャカルタ通勤鉄道。ボゴール、ブカシ、チカラン等の近郊都市とジャカルタを結ぶジャカルタ界隈在住者の通勤通学になくてはならない交通機関です。今回のおすすめ観光情報は通勤鉄道でも自家用車でも便利に行くことができるバンテン州タンゲランのジャスミンパークを紹介します。

 中央ジャカルタのタナ・アバン駅から南西に延びバンテン州のランカスビトゥンまで続くランカスビトゥン線は沢山の人達が毎日の足として利用する通勤鉄道のひとつ。この路線にも懐かしい日本の中古車両が使用されていて、ジャカルタ日本人学校が所在するビンタロ地区も通過します。キンコンカンコンの遮断器の音を登下校時に聞いたり踏切で電車の通過を待ったり平行走行する電車に追い越されて行ったりという日本さながらの疑似体験効果に一役買っている黒子さんですね。
 その一方で、東南アジアらしい南国の植物が揺れ、開けた景色の中をインドネシア仕様に塗装された日本の電車が駆け抜けていく絶景に、ふと「あ、ここ、インドネシアだった」と我に返るのもこの路線。バタビアとバンテンの境界を越え、文化、民俗、歴史のあれこれに感慨深く浸ってしまう奥深さを持つのもランカスビトゥン線です。ジャスミンパークはこにランカスビトゥン線のチチャユール駅から車で10分程度、徒歩でも15分に位置しています。
 公園入り口、出迎えてくれるのは動物をあしらったいかにも楽し気な入園ゲート。外部からの食べ物や飲み物は持ち込み禁止となっててここで預けるように言われます。はて?それも納得、ジャスミンパークは乗馬体験や動物達との触れ合いが楽しめるミニ動物園なのです。
 中に入って橋のような遊歩道をそのまま歩いて行くと眼下には鹿や七面鳥などが歩き回っています。上空にはバタバタと鳥の羽ばたく音と姿、四方八方からは色々な鳥の鳴き声も聞こえてきます。奥に進んで行くとカフェエリア、乗馬エリア、突き当たりには見渡す湖が広がっています。湖を眺め、自然の中で鳥や動物と遊び、ボーッとお茶でも飲んで休日を過ごしましょうという場所なんですね。
 乗馬コーナーは子供にも大人にも大人気。湖をバックに白馬に跨りポコポコ散歩。乗っている人も気持ちが良いでしょう。乗馬に活躍している馬の他にも厩舎には小型の珍しい柄の馬やロバが沢山いて近付いて行くと興味津々に自分から顔を押し寄せてくる子もいました。
 入り口付近で見た鹿や七面鳥がいた動物エリアには陸ガメなども自由に歩いていて、柵越しには孔雀、イグアナ、ジャコウネコなども見ることができ、平日には地元の小学校の野外学習の場にもなっているようです。
 普段「サテ・カンビン」などで食べたり、犠牲祭では屠殺の現場を見たりと日常の隣にいる山羊にも「可愛い可愛い」とワクワクした様子の子供がいました。
 山羊ならけっこうどこでもかわれているし見る機会はないのかな?そう思いながらも確かにここの山羊は毛並みもいいし道端で見る山羊とは違います。色んな角度から動物と人間の垣根をはらい、命や共存の意味や大切さを学び情操教育がなされるインドネシアの懐の広い文化の一端が垣間見えます。
 休日の訪問なら、湖に浮かぶ蓮の花の開花を見るなら午前中の早い時間、写真撮影が目的なら自然光が強いお昼頃、日焼けや暑さをなるべく避けたいなら日が傾きかける時間くらいとサクッと好きな時間に行けそうです。地元の人達はお茶を飲みながら1日の家族団らんをここで過ごしているのかも知れません。
 遠くに見望む「都会」の景色とは別世界の畑や民家に囲まれたジャカルタから30分の国内旅行。興味のある方は足を運んでみてはいかがでしょうか。(水柿その子 写真も)

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 この記事への問い合わせは(メールsonokomizugaki@gmail.com)まで。

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