多分野で連携強化を クリントン米国務長官 ユドヨノ大統領と会談

 インドネシアを訪問中のクリントン米国務長官は4日朝、中央ジャカルタのイスタナ(大統領宮殿)でユドヨノ大統領と会談した。同長官は東南アジア諸国連合(ASEAN)で果たす役割を評価し、両国のパートナーシップを強化することを確認。二国間関係だけでなく、国際問題も広く議題に取り上げ、米国の「アジア太平洋回帰」路線の中で、地域大国として頭角を現すインドネシアを重視していく姿勢を改めて鮮明にした。(道下健弘、写真も)

 40分間の会談後、マルティ・ナタレガワ外相が会見で概要を説明した。2010年に調印し、貿易や投資、安全保障、エネルギーなど多岐に渡る分野で協力する「包括的パートナーシップ」に基づき発足した共同委員会の第3回会合が、20日に米ワシントンで控えていることから、ユドヨノ大統領は米国に、より包括的で有益な両国関係を構築していくことを求めたという。
 クリントン長官が今回の外遊で重視し、ASEANの一部加盟国と中国が領有権を争う南シナ海問題については、ASEAN諸国との間で南シナ海問題に関する六つの基本原則を取りまとめるなど、インドネシアが中心的役割を果たした実績を評価。11月のASEANや東アジア首脳会議などをにらみ、南シナ海問題の法的枠組みである「行動規範」策定に向け、関係国間の協議が進むことに期待を示した。
 クリントン長官はインドネシア政府が、昨年ASEAN議長国としてミャンマーの民主化を後押しするなどして果たした役割も指摘。同国で不法移民とされ、無国籍状態が続くイスラム系少数民族ロヒンギャ族の問題も議論した。
 内戦が続くシリアや、朝鮮半島情勢、イランの核開発問題についても意見を交わしたという。
 インドネシアが議長国を務め、来年秋にバリ島で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議でも協力を約束した。
 3日にジャカルタ入りしたクリントン長官は会談後、次の目的地の中国に出発した。6日には米国務長官として初めて東ティモールを公式訪問した後、ブルネイを経てロシア・ウラジオストクでAPEC首脳会議(8、9日)にオバマ大統領の代理として出席する。

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