【縁日祭特集】 商店街のような場所に 竹谷大世実行委員長
「文房具やインドネシアの土産が買えて、日本の家庭料理を楽しめる商店街のような場所にしたい」―。竹谷大世さん。ジャカルタ生まれ、ジャカルタ育ちの縁日祭実行委員長だ。
経済危機(2008年末)があり、10年当時は帰国する駐在員が増え、日本食レストランの客足も遠のき始めたころ。日イ友好と町おこしのため、「ジャカルタ祭りの会」の故村上秀喜初代会長からも後押しを受け、2010年に第1回縁日祭を企画した。当初の実行委員は5、6人。賛同する日本食レストランも少なかった。
だが、3回目となる今年は実行委員もすでに20人以上。来場者も3万人から17万人(11年)まで増えた。今年は1日10万人を見込む。当初から「金を払わなきゃ入れないのは、祭りじゃねえ」と続けてきた入場無料。日本好きだけでなく、まだ日本に興味のない層も取り込む狙いだ。
竹谷さんは「縁日祭をすることで、町としての発言力もでき、道路や街灯が整備され、以前よりもブロックM全体がきれいになった」と、縁日祭が町おこしの起爆剤になっていると話す。また「縁日祭で日本食を知った」というインドネシア人の若者たちにも出会うなど、祭りの手応えは少しずつ感じているという。
来場者に対し、竹谷さんは「ブロックMをもっと知ってほしい。日本を好きになってもらいたい」と話す。また今年のテーマは「ありがとう心の友」。東日本大震災に対し、祈り、考えてくれたインドネシア人に、祭りを通じて感謝を伝えたい。