世界遺産、ビーチに再び 徐々に開く観光地 コロナ対策緩和
新型コロナウイルスの感染拡大で閉ざされていた国内の観光地。昨今の対策緩和を受け、徐々に再開の動きが進んでいる。「少し落ち着いたら、どこに行こうかな」。感染が広がってからずっと抱いていたこんな思いにも、実現する現実感が少し出てきた。再開した世界遺産にビーチ、活気ある風景を眺め、思いをはせてみたい。
バリ州政府は9日から、ビーチなどの再開を正式に宣言。地元在住の観光客に向け開放された。少しずつ人は入っているようだ。31日には国内の他州から、9月11日から外国からの観光客も受け入れる計画という。
国内はともかく、外国人の受け入れに関して、法務人権省が「パンデミック(世界的な大流行)終了まで」行うとした海外からの入国拒否の措置とどう折り合いをつけるのかは不透明だが、ひとまず再開の話題が出たことは喜びたい。
ジョクジャカルタの世界遺産プランバナン寺院や、中部ジャワのボロブドゥール寺院も観光客の受け入れを再開した。ただ寺院内部の立ち入りは禁止され、検温、身体的距離の確保はもちろん、場内ではガイドの監視が付くなど通常通りとはいかない様子だ。また政府の合同対策本部は、子どもを観光地に連れていかないように求めている。
ただこれらの制限もこの状況下では仕方のないことだろう。段階的に縮小されていく予定で、気を長くして待ちたい。
ジャカルタ特別州近郊のリゾート、プラウスリブが6月に再開。またモナス(独立記念塔)や動物園、博物館、ショッピングモールなども再開している。「週末のちょっとした娯楽」も戻ってきた感触だ。
再開してきたとはいえ、国内の感染者の増加ペースは依然として衰えず、安心して訪問できるのはまだ先のことだろう。しかしポジティブに捉えれば、「どこにいくか」と考え、情報を集めて準備できる時間がある。実現の現実味が少し出てきた今だからこそ、希望を持って収束後の旅行計画を立てられそうだ。(大野航太郎)