ダイバーを魅了 ラブアンバジョ発 コモドの海をめぐる
アヤナコモドができ、日本人の方にも知名度、人気度がぐっと上がったコモド島。世界遺産に登録された国立公園の他に、ダイバーを魅了するスポットとしても人気の場所だ。今回はそのダイビングについてご紹介したいと思う。
■自然の目覚まし時計
ジャカルタよりも少し肌寒い明け方5時ごろ、近くのモスクから流れるアザーンの大音量と、ひっきりなしに聞こえるニワトリの鳴き声、大型船の汽笛で、自然と目が覚める。
バリ島以東の大小、千もの島々が連なる、東ヌサトゥンガラ諸島に位置するフローレス島は、オーストラリアからの季節風の影響もあり、インドネシアでは唯一のサバンナ気候となる。
フローレス島の西端に位置するラブアンバジョでも、乾季の現在は、月に数回しか雨が降らず、高いヤシの木や、鬱蒼(うっそう)としたジャングルのような姿は、ここではあまり見かけることがない。
■いざダイビング
朝7時にはダイビングショップに到着、簡単な朝食の後、インストラクターやガイド、当日参加するダイバーたちと一緒に、歩いて舟着き場へ。ここからコモド北側のダイビングポイントまで約2時間かかる。
コモド島やパダル島、リンチャ島など、26の島々の周辺は、1980年には国立公園に指定され、1991年には世界自然遺産にも登録された、自然の宝庫である。
コモド周辺のダイビングポイントは、温暖な透明度の高い、北からのフローレス海と、南側インド洋からの、栄養分を多く含む深層水が混ざり合う。そして、周辺に浮かぶ島々から成る、入り組んだ地形が、コモドならではの、複雑でかつ、速い潮流をつくり出す。こういった環境が、他では類を見ない、豊富な海洋生物層を生み出している。
船上でダイビングギアを装着し、ポイントに到着すると、各グループに分かれて、ボートからエントリーし、その日のダイビングを開始する。
コモド北部のポイント、キャッスルロックでは、根に向かって20メートルも潜ると、まず魚の数、種類が多いことに驚く。
目の前には、カラフルなソフトコーラル・ハードコーラルが広がり、複数のロウニンアジや、ナポレオン、サメなど、それぞれ1メートルはゆうにある大型な魚たちが、一斉に岩陰の中にいる生物を捕食しようとしている姿に出くわしたり、ハナダイやギンガメアジの群れなど、一面魚群の壁に覆われた姿に目を奪われたりする。
島と島の間、陸地によって狭められている水域、海峡を潮流に流されながら、ドリフトダイブをしたり、マンタポイントなどを廻り、ラブアンバジョへ帰ってくるのは午後5時ごろになる。
■新鮮なシーフード
唯一のメーンストリート、ジャラン・スカルノハッタには、欧米人が経営しているイタリアンレストランや、地元のワルン、カフェやバーが立ち並び、ダイビングのあとはこうした場所、または港近郊のフィッシュマーケットなどで夕食をとることになる。
地元では、カンプン・ウジュンと呼ばれる、このフィッシュマーケットでは、その日とれた新鮮な魚が、各店頭にずらっと並ぶ。
タイのような見た目のスナッパーと、イカを選び、その場でバーベキューにしてもらう。
オープンスペースにテーブルと椅子が並べられ、そこで他の旅行者や、地元の人たちと一緒に、気持ちのいい海風に吹かれながら、甘辛いソースとともに焼かれたスナッパーを、サンバルをさらにつけて食べる。
時には、地元のアラック、SOPIも飲みながら、ゆっくりとラブアンバジョの夜が更けていく。
■日本語対応ショップ
今回、私は数年ぶりのダイビングで心配だったので、ラブアンバジョで唯一日本人スタッフが常駐している「Divers Paradise Komodo」を利用しました。
細やかなリクエストも丁寧に対応してくれ、ダイビングを満喫できました。(ビーウィシュツアー、松田哲也、写真も)