【ミレニアル世代の有権者】(上)「就職難」の若者、野党に期待 実業家サンディを熱烈支持

 17日投開票の大統領選は、ジョコ・ウィドド大統領(57)の優勢が伝えられるなか、野党候補のプラボウォ・スビアント氏(67)が「ミレニアル世代」と呼ばれる若年層の間で支持を伸ばしている。なぜ野党候補を支持するのか。若い支持者たちを取材すると、就職難への不満と実業家の副大統領候補、サンディアガ・ウノ氏(49)の存在が浮かび上がった。

 「ミレニアル世代の皆さん!」。3月下旬、南ジャカルタの競技場で開かれたプラボウォ組の支持集会。サンディアガ氏が呼びかけると、会場はひときわ大きな声援に包まれた。
 サンディアガ氏は米国に留学後、1997年に投資会社を設立、青年実業家協会の代表を務めるなど頭角を現した。2015年に野党グリンドラ党に入党すると政界進出に野心を見せ、アニス・バスウェダン知事のペアとしてジャカルタ特別州副知事に当選。財力を持ち政界を上り詰める傍ら、ジョギングやバスケットボールをするなど若々しく親しみやすい一面も見せる。「成功者」で「ハンサムなスポーツマン」——こうしたイメージが、プラボウォ組の新たな若い支持層獲得に貢献している。
 「インドネシア・ミレニアル運動(GMI)」「ルアン・サンディ(サンディの部屋)」など、10代~30代前半の学生や社会人でなる支持団体も次々発足。中でも昨年10月に約20人で発足したGMIは、今では30州4万人が加盟する大所帯となった。
 GMI発起人の一人、ノル・アンダル・ディアンプラナヤさん(20)はイギリスの大学に留学経験があり、今回が初めての投票となる。「正直、海外の大学を出れば就職は難しくないと思っていた」が就職活動に苦戦し、今は親の会社を手伝っているという。「国内の大学に通った友人も就職に苦戦している。イギリスの大学と比べてこの国の就職支援は十分でないと感じた」。将来への不安が、「誰でも起業できる」と若者を鼓舞するサンディアガ氏の支持につながった。

■起業支援の拠点
 30歳未満の失業者は約500万人とされ、雇用問題は大統領選の争点の一つになっている。ジャカルタ特別州副知事時代に起業支援策「OK OCE」に取り組んだサンディアガ氏は、大統領選でも若者向けの起業・就職支援策を発表。先月半ばに打ち出した「ルマ・シアップ・クルジャ(仕事準備の家)」もその一つだ。
 「求職者と企業のマッチング、自己啓発、若者の集まる場所に」。パンフレットにはそんなキャッチコピーが並ぶ。サンディアガ氏のスタッフは「選挙活動で全国1500カ所以上を巡ったサンディアガ氏が、『仕事の機会がない』『職業訓練や就職の情報がない』という地方の若者の声に応えて作った『家』だ」と自信を見せる。
 「家」では企業や非営利団体と協力し、「履歴書の書き方」「面接対策」から「デジタルマーケティング」「バリスタ養成」「飲食店開業」までさまざまな講習を無料で行う。新卒者らに好評で、3月半ば以降、南ジャカルタや東・中部ジャワ州に次々開設。当選すれば政府のプログラムとして全国展開する考えだ。
 サンディアガ氏を支援するミレニアル団体も、戸別訪問など従来型の選挙活動に加え、起業や就活のセミナーを開き、若い有権者にアピールしている。ルアン・サンディ創設者でレストラン経営者のディマス・アクバルさん(32)は「選挙後も(セミナーなどの)活動は続けるつもり」。「政治的立場が違う人同士がソーシャルメディアで誹謗中傷し合う選挙戦にはうんざり。若者がポジティブな情報を共有し合う場所をつくりたい」と話す。(つづく)

    ◇ ◇
 大統領選の有権者は17歳から30代までの「ミレニアル世代」が4割を占める。鍵を握る若者たちの行動を追った。(木村綾、写真も)

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