現代文明を拒絶した民族 バンテン州 バドゥイの村を訪ねて
ジャカルタの隣バンテン州の山奥、車で約5時間のところに、現代文明を拒み昔ながらの習慣で生活を営むバドゥイの村があります。現在ではその独特の生活文化などから観光地としても知られており、週末や連休には地元の方をはじめ多くの観光客が訪れます。そんな独特の生活習慣を持つ人里離れた秘境ともいうべきバドゥイの村に行ってきました。
バドゥイとは
バドゥイは16世紀頃にイスラム教勢力が攻勢を極めていた時期に山奥へ逃げた対抗民族とされ、ヒンドゥー教、仏教を基礎とした独特の生活文化を持っているといわれています。そのバドゥイの人たちは現代文明の受け入れを拒み、この現代においても電気を使用せず、学校にも通わず、車や公共交通機関などの使用はせず、場合によっては150キロの道のりも足だけで移動をするという民族です。
バドゥイは外バドゥイと内バドゥイに分かれています。外バドゥイの特徴としては黒い服を着用、男性は頭に青のバティックの布を巻き、女性は青のバティックを腰に巻いています。内バドゥイの特徴は白い服を着用し、男性は頭に白い布を巻いています。一般に我々旅行者が訪れることができるのは戒律が緩い外バドゥイのみで、内バドゥイの村は外国人や地元の人でも特別に許可がないと訪問することができません。また、電子製品が一切使用できない、つまりカメラも持ち込めないエリアとなっているので写真もなく謎に包まれた場所です。
バドゥイ族は主に農業や蜂蜜の販売、女性は機織りをしています。戒律の緩い外バドゥイの若者たちは現在では携帯電話を使用している人もいるようですが、結局は村には電波がないというなんともおかしな環境となっています。テレビなどはもちろんありません。
ホームステイ体験
外バドゥイの村では外国人も訪問やホームステイ体験をすることができます。バドゥイの村の入り口となっているチボレゲール(ここまで車で移動が可能)からトレッキングで約1時間の場所にあるガジェボという村が外バドゥイでも大きな村となっています。この村で1泊ホームステイをしましたが、いろんな意味で他ではなかなかできないであろう体験となりました。
バドゥイでは観光客専用の宿泊施設はありませんので、一般の家に泊めてもらいます。また、先ほどお伝えした通りバドゥイでの移動手段は徒歩のみなので、バイクや車などの使用はできません。バドゥイではコンクリートも使わないので道は石段だったり、家屋や橋も竹や木の幹など全て自然のもので作られています。まさに大自然の中で独特の生活基盤が築かれており、とても興味深い村です。
ホームステイした家には訪問者用の簡易トイレと水浴び場がありましたが、通常バドゥイの人々は川で水浴びをしています。電気は使用しないので夜にあるのは闇のみ、太陽と共に生活するという自然に従った暮らしです。バドゥイ族を知れば知るほど謎が多く、とても興味深い民族です。ここでは紹介しきれない習慣や戒律もたくさんあります。
冒険好きの方には1泊でのホームステイ体験をお勧めしたいですが、そこまでの覚悟と勇気がない方(笑)はジャカルタからバドゥイ村へ日帰りで行くこともできます。文明を拒否した村への時代のタイムスリップを楽しまれてはいかがですか。(パンダバス、中村友美、写真も)
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