ヒンドゥーの神々が住む 寺院遺跡、湯煙、湖 中部ジャワディエン高原
「神々が住む」と言われる場所はこの地球上に数々あるそうです。ざっと調べたところでもネパール、アイルランド、日本にも。インドネシアではバリ島も「神々が住む島」として知られています。信じる神様の呼び名やその信仰方法、教義などは違ってもこうした「神」信仰の宗教観は古今東西各地に存在し、太古の昔から人間の営みを支えてきたと言えそうです。今回のおすすめ観光情報はそんな「神々が住む地」と呼ばれる中部ジャワの聖地、ディエン高原を紹介します。
ジョクジャカルタやスマランから車で3、4時間ほどの距離に位置するディエン高原。3大観光スポットはヒンドゥー教寺院の遺跡群、温泉が噴き上がる地熱地帯、そして神秘的な湖です。
ヒンドゥー教寺院の遺跡群は聖典「マハーバーラタ」の英雄にちなんだ「アルジュナ寺院」などが並ぶ公園として管理されています。ひとたび足を踏み入れると目の前に広がる景観はまるで絵画。色とりどりの花が咲き、天気に恵まれた日中は周囲の山々の活き活きとした緑と朽ち行く古跡の風貌が壮大なコントラストを描きます。夕方、西日の後光を受けて輝く遺跡群は「神々が住む」と称されるのも納得の神々しさ。凄まじい自然の包容力の中に張り詰めた暮れていく時の静寂。純粋で清らかなその空間はまったく違う宗教でありながらなぜだかバチカンのシスティーナ礼拝堂で感じた神聖さにも似ていて思わず涙がこぼれ落ちてしまいました。
カワ・シキダン(Kawah Sikidang)は北海道や九州にあるいわゆる「地獄谷」のような地熱地帯です。インドネシア語の「Kawah」は「火口」「噴火口」などと訳されますが、ここは一面硫黄山。あちこちから源泉がボコボコと湧き、のろしのように湯煙が噴き上がっています。ほのかな硫黄の香りと温泉成分をたっぷり含んだ空気で気分は健康ランド。日本ではおおよそ「進入禁止」となるような岩石の上をじかに歩いたり、火口付近まで接近できたり、卵を持参していけば温泉卵も作れるという自然との距離感は大人も子どもも十分楽しめます。
併設の売店はパサール風になっていてお買物も外せません。標高2千メートルという土地柄、昼夜の寒暖の差から驚くほど甘く育つディエン名産のジャガイモはインドネシア随一のおいしさという定評でここの売店でも一番人気。また、インドネシア国内でもディエン高原でしか採れないという果物「カリカ」のほか、旬の野菜や果物も売られています。
直訳すると「色の湖」という「テラガ・ワルナ(Telaga Warna)」は季節や一日の時間や天候などでも水の色が七変化する湖です。その秘密は水中の含有ミネラル。しばらく観光している間にも濃紺、エメラルドグリーン、淡い水色など次々と変化する水面を楽しめました。ここも景観には非常にこだわっている様子でジャカルタではあまり見かけない大輪の紫陽花プロムナードが訪問客を歓迎してくれます。
「こういう所、うちの田舎の近くにもあるんだよね」。ツアー参加者の一人がふと漏らしました。どこか日本人の心の原風景にも近い懐かしさと優しさが漂うディエン高原の観光名所の数々。皆さまもぜひ訪れて自然のパワーと神聖な空気を実感してみてください。(産経海外ファミリークラブジャカルタ、水柿その子、写真も)
◇神々が住むヒンズー教の聖地・ディエン高原と伝統市場満喫の旅1泊2日
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