川から湯煙、コウモリ洞窟 プラブハンラトゥ インド洋望む港町
インドネシア・ジャワ島の北海岸線に位置するジャカルタ。ここからいくつもの山を超えてひたすら南へ行くとインド洋に面した南海岸線に到着します。オホーツク海、太平洋、東シナ海、日本海という四つの海に囲まれた日本で生まれ育った私たち日本人にとってインドネシアを囲む海は別世界の海。その中でも「インド洋」という響きからは学校で習った「世界の三つの大洋」という感慨、エキゾチックな異国情緒、アジアという親近感がブレンドされた独特の旅情が湧いてきます。今回の観光情報はジャカルタから車で行くことができるインド洋を望む港町、プラブハンラトゥと周辺を紹介します。
■ジオパーク
インドネシア語で「プラブハン」は「港」、「ラトゥ」は「女王」という意味があります。プラブハンラトゥを含むこの一帯は「チレトゥ・プラブハンラトゥ・ジオパーク(Ciletuh-Palabuhanratu Geopark)」としてことし4月に国連教育科学文化機関(ユネスコ)が進める地域認定プログラム「世界ジオパークネットワーク」に認定されました。
地球科学的価値が認められ、その価値を保全しつつ教育・観光に活用しながら持続可能な開発が進められるこのプログラムに認定されたことで、確かに数年前から比べると格段にごみも減り観光地には案内板が設置されるなどその努力と成果が見られます。
最初の見どころは何とも奇妙な「コウモリの洞窟」です。洞窟の入り口から聞こえてくるキーキーという鳴き声。ようやく暗さに慣れた目に入ってくるのは無数のコウモリが至る所にぶら下がり飛び交う光景です。鼻を突くのは鋭い異臭。聞けば1日300キロもの排泄物が出て肥料として利用されているとのこと。こうした食物連鎖の形も自然の法則だと改めて気付かされます。
これらにぎやかなのは昆虫を食べる種類のコウモリで、すぐ隣の洞窟にはおとなしいベジタリアンのコウモリが生息しています。誰が教えたのかすみ分けがされている不思議。他にも真っ暗闇の中で瞑想(めいそう)する瞑想洞窟というのがあり、この地域では宗教に関係なくパワースポットとして信じられているそうです。
■「35年若返り」
川の中から湯煙を上げる間欠泉も必見です。乾季には12メートルも噴き上がるという熱々の間欠泉は川に入って直接入浴もできる一見風流な天然温泉。ミネラルたっぷりの源泉で35年の若返り効果も立証済み、というのはとある訪問者談。ただし大変高温なのと雨期の今は水量が多く水流も不安定なので入浴挑戦は自己責任で。
プラブハンラトゥからさらに山を越えサワルナまで行くと、また別世界の絶景が待ち受けています。奇岩が並ぶ断崖絶壁と穏和な白砂ビーチが混在する海岸。壮大な地殻変動の痕跡、いくつもの色が重なり合い横や斜めや縦の模様を描く地層、雨や波に身を任せながら崩れ去る日もきっと遠くはないと思われる奇岩、引き潮に残された小さな熱帯魚……。どれもが自然の教材です。
■値段びっくり、魚市場
さて、旅の最後はプラブハンラトゥの名前の由来ともなっている漁港に隣接している魚市場で新鮮な魚介類のお買物が外せません。「今水揚げしたばかり」という見たこともないほど新鮮な魚介類が思わず耳を疑う値段。マグロやカツオの一本買い、ロブスターやエビ・カニの数キロ買いも夢ではありません。金銭感覚がわからなくなるあまりのすごさにきっとあれもこれもと欲しくなりますので、ご旅行出発前にはしっかりと冷蔵庫・冷凍庫の整理とご準備を。(産経海外ファミリークラブジャカルタ、水柿その子、写真も)
◇チレトゥ・プラブハンラトゥ・ジオパークと魚市場満喫の旅
産経海外ファミリークラブジャカルタ
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