行き交う船、魚の宝庫 多様な顔、ジャカルタの海
悲惨な大事故が起きてしまいました。ライオンエアの墜落事故。犠牲者のご冥福を心よりお祈りいたします。あらためて全世界で営業する全ての航空会社、交通機関には徹底した安全管理を要望するところです。一方、世界最大の海洋国家インドネシアにおいて格安航空会社を含む民間旅客機の航路拡大は国民の生活やビジネスに革命を起こし、新時代をもたらしました。これらはもはや必要不可欠な交通機関。私たちも以前はとても無理だと思っていたような場所により簡単に旅行ができるようになったことは紛れもない事実です。そんな今月のお勧め観光情報は列島国インドネシアの海、特にジャカルタの海についてご紹介します。
インドネシアの海は実に多様で自然・生命の宝庫と言われています。正確な島の数の把握は困難で公式発表でも毎年増減するという豪快さには地球の生命力を感じずにはいられません。世界中の観光客が訪れるバリ島、ダイバーを魅了して止まないブナケンやフローレス、今だ未知の生物が眠るだろう広い広いスラウェシやパプアの海など数々ある中、ジャカルタ在住者にとって実は一番身近な海はここジャカルタの海です。
急激な経済発展により見上げるほどの高層ビルがいつの間にやら街のアイコンとなり大都会と称されるようになって久しいジャカルタ。しかし、もともとはスンダクラパ港を中心とする漁業や海運など北海岸線の港町としての発展が町のはじまり。ジャカルタの存在は海なくしては語れないことはご存知のとおりです。
夜通し働くイカ釣り船、外洋航海から帰着した船は漁港で夜通しの水揚げにクルーは大忙し。早朝、東の空を真っ赤に染めるご来光、夕日かと見間違えるほどのまぶしさで目を細めるころには朝釣りに出発する木造船……。
金融商業経済の中心、現在の大都会ジャカルタも海との関係は健在。沖に出るとハリウッド映画の特撮か、巨大な人工島かと思うような船に遭遇。カリマンタンから積んできた石炭の運搬船とのこと。
そんな海を楽しむ方法のひとつは釣り。ジャカルタの海は魚の宝庫で素人でも簡単に魚が釣れると言われています。もちろん、熟練のキャプテンやクルーさんたちの助けが必要ですが、食べるのがかわいそうになるようなカラフルな南洋魚が釣れたりします。釣った魚は船上でさっそく調理。仲間同士で分け合っても大漁ならば数カ月分のストックにもなりそうです。
ジャカルタから日帰りでも行けるプラウスリブの島々への旅もすっかり定着していますね。船は朝8~9時ごろに出港しますが、日帰りではリゾート滞在時間が数時間なので「もっと早く出発してもっとゆっくり帰ってきたい!」というのが休日を丸ごと楽しみたい私たちの本音。
しかし船というのは特別な乗り物です。潮の満ち引きで大型船が出港寄港できない時間帯もあれば、波の高さ、風の強弱などさまざまな自然現象が運航予定を狂わせます。時間通りに発着する電車などに慣れてしまうと忘れがちになりますが、はたとこの広い海を見渡してみると、それは至極当然のこと。大海原の中、毅然と船舶を操る操縦士さんたちの鋭い勘と技量には恐れ入ります。
ただ、どうしても! という方は船を1隻丸ごとチャーターするのも手段です。専用船なら海のコンディション次第ではもう少し融通が利くプランも可能でしょう。多様な顔と魅力を持つジャカルタの海。
次の休みに出掛けてみませんか?(産経海外ファミリークラブジャカルタ、水柿その子、写真も)