イ、日本に完敗 男女初戦「異次元」
アジア大会7人制ラグビーは30日、中央ジャカルタ区スナヤンのブンカルノ競技場内で開幕した。インドネシアは男女の予選同組の日本と対戦し、男子が0―92、女子が0―65で敗れた。ジョージ・デニス・ウィルソン監督は「実績と経験ある日本から多くを学びたい」と話した。
日本男子は松井千士(ちひと、サントリー)の開始21秒のトライで口火を切ると、8本のトライを含め前半だけで52点差をつけ、後半でも40点を挙げた。女子も7分ハーフの前後半で11本のトライを奪った。
点差が開きながらも声援を送ったラグビー経験者のチカル・ガウムラカシウィさん(24)は「日本はレベルが違う」と驚いたが、「日本のワールドカップでの活躍を考えれば当然のこと。インドネシアの今後に期待したい」と話した。
男子日本代表の岩渕健輔ヘッドコーチは試合後、「自分たちの入りが良く、良いスタートが切れた」ことが点差につながったと分析。インドネシア代表については「まだまだ若いチームだと思うが能力の高い選手が多いと思うので、今後強敵になってくると思う」と印象を語る。
インドネシアは国内34州中11州でラグビーがプレーされ、競技人口は1300人ほど。ほとんど初めて結成された7人制ラグビーのインドネシア代表は、男女計24選手のうち8割が大学生で、残りは社会人。
アジア大会に向けた強化策として招いたニュージーランド人のウィルソン監督は「インドネシアのラグビーはまだ日が浅い。身体能力のポテンシャルはあるが、まだまだ技術的なことや、日本のように実績のある強い相手との試合経験が必要」と課題を示した。
インドネシアのラグビー振興に向け、日本はすでに支援協力を始めている。日本ラグビーフットボール協会はスタッフをインドネシア・ラグビー協会(PRUI)に派遣。岩渕ヘッドコーチは今大会で来イして貴重な縁ができたとし「これからもいい形を築いていきたい」と期待した。
31日も予選が行われ、決勝は9月1日。日本は男女アベック優勝を目指している。(中島昭浩、写真も)