2大統領候補、勝利の抱擁 プンチャックシラット金6個
アジア大会12日目は29日、ジャカルタ特別州や南スマトラ州パレンバン市など各地で行われ、地元発祥の伝統武術プンチャックシラット最終日でインドネシアが金メダル6個を獲得した。ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領と2019年大統領選の大統領候補でインドネシア・プンチャックシラット連盟(IPSI)のプラボウォ・スビアント会長が観戦、優勝の瞬間にはがっちり抱擁し、選手の活躍を祝福した。29日午後10時時点の金メダル獲得数は中国が102個で単独首位。日本が51個で2位。インドネシアは30個で4位のまま。
プンチャックシラットは東ジャカルタ区のパデポカン・プンチャックシラットでスニ(演武)部門男子トゥンガル(個人)、女子ガンダ(ペア)、女子ブルグ(3人組)とタンディン5階級の決勝が行われ、全8個の金メダルのうち、インドネシアが6個を獲得した。27日にも金8個を獲得。同種目だけでインドネシアの金メダル獲得数の約半数を占めた。すでに目標の金16個を上回っている。
ジョコウィ大統領は午後4時半頃に会場に到着。プラボウォ氏から歓迎を受けた。大統領は「長期に及ぶ練習の成果が出た」と目標を達成したインドネシア選手団をたたえた。
17年クアラルンプール開催の東南アジア大会では目標の金55個に届かず38個と00年以降の同大会最低を記録。国内メディアから国のサポート体制に非難が集中した。これを機に政府はアジア大会に向け、競技によって差はありながらも合宿費用などを支給。金メダル獲得者への報奨金15億ルピア支給や国家公務員として雇用することなどを約束し、選手のモチベーションにつなげた。
選手団長のシャフルディン国家行政改革相は「今後も支援を継続する」とし、プンチャックシラットを22年中国・杭州開催のアジア大会でも競技に採用するよう働きかけていると明かした。試合会場には他にユスフ・カラ副大統領、メガワティ第5代大統領らが訪れた。
パレンバン市ではスケートボード各種目決勝があり、パーク男子で日本の笹岡建介が優勝、ジェイソン・デニス・リンザート(インドネシア)とぺヴィー・プルマナ・プトラ(同)がそれぞれ銀、銅メダルに輝いた。女子は日本選手が1、2フィニッシュ。ストリート男子ではサングー・ダルマ・タンジュン(同)が準優勝し、日本の池慧野巨(いけ・けやき)が優勝した。女子は伊佐風椰(いさ・かや)が銀。12歳のブンガ・ニマス(インドネシア)が銅メダルを獲得した。選手団最年少9歳のアリカ・カイサ・ノフェリー(同)は8人中6位だった。(中島昭浩、6、8面に関連)