予選敗退も多彩な声援 日本代表 麻生大輔さん
アジア大会のインドネシアの伝統武術プンチャックシラットのスニ(演武)部門の予選に25日、日本から麻生大輔さん(24)が唯一参加した。結果は5人中最下位と決勝に残ることはできなかったが、アジア各国の観客や出場国の選手から声援が送られた。
スニ部門のトゥンガル(個人)に出場。ゴロック(刀)とトンカット(棒)を持って3分間に100の動作をこなし、減点方式の技術点と加点方式の芸術点で採点され、5人の審判中、最高と最低を除いた3人の合計が得点となる。
ラオス、マレーシア、タイ、ベトナムと一緒のグループで、首位タイが460点のところ、麻生さんは442点。「(演武を)やりきったつもりだったが、周りが(それ以上に)準備してきたので、その差が出た」と振り返った。
麻生さんの演技中、8月3日まで約1カ月間寝食を共にしたインドネシア代表選手団から「ダイスケー!」と声援が飛んだ。麻生さんの姉と応援に訪れた母の実穂さん(51)は、息子への大きな声援に「インドネシアの人たちが本当に応援してくださっていたのが、すごく印象的でありがたく思いました。温かいお国柄に触れた」と話した。
この日アジア大会に初出場したパキスタンのノマン・ユスフ選手(24)は412点だったが、観客からは突きや蹴りなどの各動作ごとに拍手が送られた。スニ部門に出場したシンガポール選手の父親、モハマド・ヤジッドさん(50)は「プンチャックシラットが広がっていってほしい。サッカーのようにブーイングをするのではなく、いろんな国の選手が演じてくれ、とてもうれしいから(拍手した)」と笑顔を見せた。(中島昭浩、写真も)