「女形」で日イ交流 日本舞踊とバリ舞踊
男性役者が女性を演じる「女形」。日本とインドネシアそれぞれの伝統舞踊で舞う、女形による文化交流公演「『女形』舞踊、バリと日本が出会う」が20日、バリ州プリアタン村の舞台「バレルン・ステージ」で行われた。
日本舞踊の最大流派、花柳流から花柳園喜輔さん(68)、花柳登貴太朗さん(53)が来イし、演目「潮来出島」「山姥」などを披露、日本における女形の歴史紹介や、日本舞踊の所作をレクチャーした。後半は、園喜輔さんと登貴太朗さんから指導を受けたバリ舞踊の踊り手が日本舞踊を披露、両舞踊の所作を比較するなど、舞踊を通して交流を図った。
同公演は、日本の芸能活動支援民間団体「ゲッコークラブ」とバリの伝統芸能団体「バレルン・ステージ・プリアタン」が2012年、バリの女形舞踊「レゴン・ナンディール」を復活させたことから始まった。男性が女性のようなきらびやかな格好をして舞うレゴン・ナンディールは、女性が演じるバリ舞踊「レゴン」の元来の姿だという。両団体は、1930年ごろまで残っていた女形舞踊の記録や写真を手がかりに女形舞踊を復活させた。
主催のゲッコークラブ代表、長谷眞砂子さんは「女形は、技術で女を演じる。美というものがはっきりと形になり、エネルギーとなって湧き出てくる」と魅力を話し、「両国の踊り手が交流することで、共通の文化を再発見し、新しい創造を生み出す力になる」と語る。
7月にはバリ舞踊の女形4人が日本を訪れ、ワークショップや日本舞踊家と共演する予定。(上村夏美)