カフェにタブレット完備 蔵書管理アプリ「ワヤンフォース」の周知 出版社やメディアと連携
中央ジャカルタのモール「eX」にこのほど、アイパッドやサムスン製タブレットを席に設置したカフェ「ワヤンフォース」がオープンした。約30席のうち7席に完備。コーヒーやフレッシュジュースを飲みながら談笑する一般客の手元に置かれ、タブレットでプレゼンテーションをする女性の姿も。インドネシア発の蔵書管理アプリケーションソフト「ワヤンフォース」を周知するためにオープンしたカフェだ。
「ワヤンフォース」は、コンパス・グラメディアグループ、MRAグループなど国内出版社約九十社と提携を組み、二千七百種の雑誌、新聞を配信するアプリだ。ガトラやテンポなどの週刊誌、シャリア・ビジネスなどに関する宗教書、韓国アイドルが表紙を飾る十代向け雑誌など多種多様。一日五―十冊ずつ増えている。価格は雑誌・書籍を本屋で購入するよりも安く、日刊紙「スプタール・インドネシア」は無料で購読できる。
ワヤンフォース社のウェンディ・チャンドラ社長は「インドネシア産」をアピールするために、インドネシア代表文化のワヤン(影絵芝居)の名を借りたと説明。カフェのコーヒーはすべてインドネシア産を独自にブレンドしたもので、食事メニューもほとんど国産品を利用した。
インドネシアでもタブレットを安い価格で購入できるようになり、気軽に何冊もの本や雑誌を保存して持ち歩くことができるようになった。しかし、「実際読まれているのはインドネシア語の本ではなく、米国発の英語の本」とウェンディさんは指摘する。「インドネシア語の書籍とユーザーのプラットフォームを作れば、アイパッドでインドネシア語の本を読める」と、国内出版社と交渉し、昨年八月に同アプリを発表した。
アイパッド、アンドロイド対応で、今年一月までに二十万回ダウンロードされた。八割がインドネシア国内からのダウンロードだが、二割は海外からだ。「米国やマレーシア、日本に行った留学生が多い。一月上旬のカフェオープン後、週間ダウンロード数が一・五倍になった」という。
書斎をイメージした店内に並ぶアイパッドは、ワヤンフォース以外にも自由に使用可能。ゲームアプリもいくつかダウンロードされている。店頭でタブレットや関連アクセサリも販売している。