【モーターショー特集】 各社がしのぎ削る(5)

◇新しい用途も紹介−三菱ふそう

 三菱ふそうバス・トラックは、現地関連販売法人クラマ・ユダ・ティガ・ベルリアン・モーターズ(KTB)社を通じて、小型、中型、大型のトラック計5台を展示した。
 同社のブースには、小型トラックの「コルト・ディーゼルFE71」をはじめ、トラクターヘッド「FV51JH」、中型トラックの「ふそうFN527MS」や「ふそうFN627」、参考出品された「コルト・ディーゼル4×4」が並んだ。
 110馬力のコルト・ディーゼルFE71は、インドネシアの紅茶販売大手シナール・ソスロ社と協業し、移動喫茶店「ソスロ・モバイル・ショップ」に様変わりしたモデルを展示。
 220馬力のふそうFN527MSは、荷台部分に作業部屋を設置し、メンテナンスカーとして商品輸送車の「新しい使い方」をプロモーションした。
 昨年12月に発表したFV51JHは380馬力で、6M70エンジンを搭載。化学品や鉄コイルなど消費財運輸の市場を狙う。
 四輪駆動のコルト・ディーゼル4×4は、農業や鉱業などオフロードでの利用も想定する。D34−2AT5エンジン、ターボチャージ・インタークーラーを搭載する。ふそうFN627は、250馬力で6D16エンジン、ターボクーラーを搭載している。
 KTB社は、1970年から42年にわたり、商品輸送車分野のシェアで首位を維持し、インドネシア市場をけん引してきた。同社の辻昇社長は「自動車販売台数が今年100万台見込まれ、今後さらに200万、300万と拡大していく市場で、販売を一層強化していきたい」と話した。

◇ハイエース投入−トヨタ(商用車)

 トヨタ自動車の現地販売法人、トヨタ・アストラ・モーター(TAM)社は、乗用車を展示する屋内のブースのほか、屋外に商用車向けの別ブースを設け、20日、キャブオーバー型のワンボックスカー「ハイエース」を投入すると発表した。
 「ハイエース・スタンダード」と「ハイエース・コミューター」の2種を投入。16人乗りで、色はメタリックシルバー、メタリックダークブルー、白の3色。価格は、ハイエーススタンダードが3億5500万ルピア(約291万円)、ハイエース・コミューターが3億9600万ルピア(約325万円)。
 ハイエース投入について、TAM社のジョコ・トリサンヨト販売担当取締役は「拡大するインドネシアの観光産業を主なターゲットにする」と話した。
 ブースでは、ほかに小型トラック、ダイナのカーゴタイプ「130XT」などが展示された。

◇ブランド周知を−UDトラックス

 UDトラックス(旧・日産ディーゼル)の現地関連会社であるアストラ・マルチ・トラックス・インドネシア社は屋外会場にブースを出展し、現在インドネシア国内で販売されている大型トラック3車種とけん引トラック1車種の計4車種を展示した。
 展示した車種は、大型トラックは「PK215R」(車両総重量15.5トン)と「CWM330HM」(同26トン)、「CWA260M」(同26トン)で、けん引トラックは「CWA260HT」。
 2010年に「日産ディーゼル」から「UDトラックス」に社名を変更し、今回のモーターショーではブランドの認知度を高めようと、「UDヘリテイジ」をテーマの一つに掲げた。
 ステファヌス・ストモ社長は記者会見で、今年は新製品の発表をインドネシアで行わず、購入後のアフターサービスや修理時に必要な部品販売などに力を入れていく方針を明らかにした。同社は今年の販売目標台数を3600台に設定しており、9月初めまでに2400台を販売し、目標を達成するペースだと明らかにした。

◇耐久性など強調−メルセデス・トラック

 メルセデス・ベンツ・インドネシア社は乗用車のほか、屋外に商用車ブースを構え、鉱業、農園などで使用されるダンプカーのアクソールやアクトロスなどを売り出している。
 アクソールは、2633Cや2628を展示。アクトロスとともに、防火性を高めるなど安全性の高さをうたった。
 同社のオラフ・ペテルセン商用車担当取締役は「われわれの製品は耐久性の面で優れており、より長期間にわたって使用することができる。安全性も高く、最新の技術を用いているため、燃費も良い」と強調。ジャワ島だけでなく、スマトラ、スラウェシ、カリマンタン、マルク、バリの各島で営業所を設け、24時間のサービス、部品提供網を整備している。また、国内のボディメーカー(カロセリ)とも提携し、顧客の要望に合わせた柔軟な対応も可能だとしている。
 また、来年にはバス部門にも力を入れ、トランスジャカルタ向けにガス燃料のバスの提供を目指すとの意向を示した。

◇新けん引トラック発表−マン

 独マンの販売代理店デュタ・プトラ・スマトラ社は、新型の6輪けん引トラック「TGS33.360」(連結総重量80トン)を発表した。4輪駆動で路面状態の悪い道路が多いインドネシアでの運転に適していることをアピールした。
 同社製のエンジン「MAN―D2066」を搭載。現行の欧州排出基準「ユーロ2」を満たしており、環境に配慮した車両設計も来場者に紹介している。
 同車種の2013年の販売目標は120台から150台で、スマトラやカリマンタン、スラウェシ、ヌサトゥンガラ地域の鉱物輸送での需要を見込んでいる。
 同社のヌグロホ・チャンドラ取締役によると、インドネシア政府の採掘規制などが影響し、同社トラックの今年の販売台数は落ち込んでいる状態。
 ブースではTGS33.360のほか5車種を展示した。

◇トラック6車種展示−第一汽車

 中国・第一汽車の現地販売法人ガヤ・マクムル・モービル車は、7.7リットルエンジンを搭載した新型の6輪けん引トラック「J5―280」(車両総重量26トン)を発表した。
 ブースではトラック6車種を展示している。同社のロバート・リー社長によると、ダンプトラック部門の主な納入先はカリマンタン島とスマトラ島。ジャワ島内での物流トラックの販売を今後さらに強化していく方針だ。
 2011年のインドネシア国内における第一汽車の販売台数は600台。

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