大きな「バンドン家族」 BJSが初のサマースクール
バンドン日本人学校(BJS)はこの夏、初めてサマースクールを開いた。校外からも参加者を募集し、ジャカルタ日本人学校(JJS)に通う小中学部の子ども28人とBJSの授業体験に来ている4人の計32人とその家族がバンドンへ足を運んだ。BJSの小・中学部の児童・生徒13人と同校PTAの母親が集まる「マンギス会」や父親の集まり「マンゴー会」の保護者と教員が協力し、子どもたちは絆を深めた。
スクールは今月1〜3日の3日間。1日目の野外炊飯ではカレーを調理。中学生がれんがを積んでかまどを作り、小学低学年の児童は火にくべる落ち葉を集めたり、コメをといだりした。小学3〜6年生は野菜の皮をむいたり切ったりした。
カレーはムスリムも一緒に食べられるよう市販のルーを使わず、子どもたちが事前に家庭科の授業でスパイスを調合して自家製ルーを作製。幼い子どもも食べられるよう、蜂蜜やマンゴーを入れて辛さも調節した。
夕食後はインドネシア教育大学(UPI)で大学の講師から銀河や太陽系について学んだ後、校舎の屋上に上がり望遠鏡で星空を観察した。満月の翌日で特に月がよく見え、クレーターまではっきりと見ることができた。
2日目には、バンドン北部のレンバンにある、林の中で本格的なアスレチックを楽しめる「バンドントゥリートップ」を訪れた。子どもたちはさまざまなコースに挑戦。初めは怖いと言っていた子どもたちも、夢中になってゴールを目指した。
授業体験では6年生が算数の授業で多面体を作製したり、5年生は理科の実験でべっ甲あめをつくったり一緒に勉強に励んだ。ほかにも音楽の授業でアンクルンを演奏したり、ミニ運動会を開いてリレーや玉入れなどを親子一緒に楽しんだ。はじめは恥ずかしさから話すこともできなかった子どもたちだったが、最後には抱き合って別れる姿もあった。
櫻田弘道校長は「小さな学校であっても学校を外に開くことで、つながりや可能性は無限に広がっていく。『小規模校だからできること』を合言葉にバンドン日本人学校ならではの教育を進めていきたい」と話した。(毛利春香)