男女別乗車を実施 女性へのいやがらせ対策で 「乗ったら関係ない」の声も トランスジャカルタ

 ジャカルタのバスレーンを運行する公共サービス機関(BLU)トランスジャカルタ社が今月中旬、近年メディアなどで大々的に報道されている車内での女性へのいやがらせ対策として、男女別乗車を正式に開始した。第六路線(ドゥク・アタス―ラグナン間)で、二両編成の前方車両を女性専用車として試験導入したのを経て、現在は全路線に男女別乗車を拡大。一両編成の大半の路線では前方に女性を、後方に男性を乗車させる苦肉の策を講じているが、定着するかは未知数だ。(高橋佳久、写真も)

 「女性は前へ、男性は後ろに!」中央ジャカルタ・サリナ・デパート前のトランスジャカルタのバス停では、車掌が大声を張り上げていた。
 第一路線(ブロックM―コタ)は、連結車両を使用しておらず、車両が一両のため、バスに乗り込んだ後に前方に女性を後方に男性を誘導している。車内を見渡すと確かに女性は前方に乗車しているが、女性の友人と来ている男性は一緒に前方にいるなど、厳格に運用されているようではなさそうだ。
 ブロックMに行くというアミさんは「分かれているとやはり安心。でももう少し徹底してもらえると助かる」と話す。
 第六路線となる中央ジャカルタのドゥク・アタスのバス停では二両連結の車両の前方車両に女性、後方車両に男性が乗車できるよう、入り口を男女別々に設置していた。バスに乗り込む自動ドアの前には女性専用入り口を示すステッカーが貼られている。
 車掌は、男性が女性の入り口に並ぼうとすると、毅然とした態度で正しい列に並び直すよう促す。誘導していたヤシンさんは「皆に理解してもらうのはまだ難しい。でも第六路線では上手くいっている。たまに怒る客もいるけど」とやや困り顏だった。
 実際にバスが到着した。別々に並んでいたはずだった男性も、女性用の入り口に詰めかけ、ヤシンさんは対応に追われていた。列に並んでいた男性のレイモンドさんは「まあ並ぶ時は注意されるからちゃんと並ぶけど、乗ってしまったら関係ないよね」と語った。
 ジャカルタでは、最近では女子高生への痴漢行為で逮捕者が出るなど、女性へのいやがらせ行為に対する意識が高まっている。そのため、トランスジャカルタ社は男女別乗車を開始したが、依然課題は多そうだ。

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