「旅立っても笑顔で」 JJSとBJS 卒業式で感謝伝える
ジャカルタ日本人学校(JJS、バンテン州南タンゲラン市、齋藤稔校長)とバンドン日本人学校(BJS、西ジャワ州、佐藤邦壽校長)は12日、両校で卒業式を開いた。JJSでは小学部6年137人、中学部3年69人の過去最多の206人が、BJSでは幼稚園1人、小学部1人、中学部2人の児童・生徒たちが、進学に向け決意を新たにした。卒業証書を受け取った生徒たちは、ともに過ごした友人や家族、恩師への感謝を胸に、また一歩踏み出した。
JJSの卒業式は同校の体育館で開かれ、卒業生の保護者や在インドネシア日本大使館の赤松秀一総括公使やJJS維持会の藤岡也寸志理事長ら来賓17人が出席した。齋藤稔校長はこれまで、JJSフェスティバルなど学校行事で「笑顔」の大切さを生徒・児童に伝えてきた。式辞では、生まれつき両腕と右足がない愛知県豊川市出身のアーティスト佐野有美(あみ)さんを例に挙げた。「佐野さんは高校生の時に、笑顔を届けたいとの思いでチアリーダーになった。最後にはダンスができるようになった」と話し、佐野さんが作詞した歌「歩き続けよう」の「頑張ってる人には、いつか幸せが訪れるときが、必ずくるって」という歌詞を紹介した。
また「ハンディキャップがあることで頑張れると彼女は思ったのです。卒業生の皆さんは今日まで頑張ってきました。これからも健康や友情、そして笑顔を第一に頑張ってほしいです」と語り、卒業生たちの背中を押した。
式では小学部卒業生たちが言葉をつなぎ、学校行事を振り返る「小学部お別れのことば」を披露、「旅立ちの時」を心一つに歌声を響かせた。
先輩への感謝を胸に、中学部送辞で2年2組の森礼奈さんが登壇。学校行事でリーダーシップを取り、盛り上げてきた先輩たちに対し「JJSの行事には学年を超えて作り上げる喜びがあります。活気あふれる学校を受け継ぎたいです」と話し、旅立ちを祝った。
学び舎を巣立つ中学部生徒を代表して3年1組の山下雄大さんが答辞を述べた。「中学部のスローガンである『責任ある自由』の意味は3年間、学校生活や行事を通じ、理解することができました」と振り返った。「温かく、時には厳しくしてくれた両親に感謝でいっぱいです」と笑顔で語った。卒業生たちも「旅立ちの日に」を仲間たちと熱唱した。
式終了後、在校生が卒業生を玄関前まで見送る恒例の「送り出し」があり、卒業を祝うくす玉が割れた。
式を見守っていた中学部の紺谷祥一教頭は卒業生について「大所帯にあっても一人一人非常にたくましく育っていく様子に胸が熱くなりました。JJSの子どもとして、今後も輝き続けてほしいです」と期待を込めた。
13日には、JJS小・中学部で修了式と離任式が開かれる。(山本康行、写真)