【スナン スナン】帰国日未定でも相談を [本帰国引っ越しの注意点] 2月から集中 早めの動きで
インドネシア生活に別れをつげ、来年は本帰国という方も多いだろう。引っ越しの準備はどうだろうか。4月から日本で勤務となると引っ越しの山場は2、3月。余裕を持った帰国をするためには「早めの相談を」と業者は話している。
春は本帰国が多い時期。ジャカルタ日本人学校(JJS)に通う子どもを持つ家庭では、終業式を区切りに日本に帰国することが多い。この時期は引っ越し希望者が集中するため余裕をもった日程で臨みたい。
海外引っ越しの流れは各業者ともだいたい同じ。打ち合わせは自宅に来てもらい、荷物の量を相談した上で大まかな見積もりを取る。この際数社から見積もりを取りたい。「帰国日が決まっていなくても、まず相談してください」と佐川急便インドネシアのテクニカル・アドバイザー、志水謙太さん(41)は話す。帰国日が決まらないと相談できないと思いがちだが、むしろ早いほどよい。依頼者は引っ越しの流れを把握することができ、業者も無理のない計画が立てやすい。
初回の打ち合わせで多い質問は、?「荷物はどれくらいで着くのか」?「梱包(こんぽう)は誰がやるのか」?「会社(依頼者が所属する)の引っ越し規定容量で収まるか」の3点。規定容量は会社によって違うが、超過分は自己負担となる。打ち合わせの時に規定量を業者に伝えると大まかな判断をしてくれるので楽だ。梱包の際には荷物を帰国後すぐに使う物と到着が遅くていい物とに分け、航空便(通常1週間)と船便(同30〜40日)の対応をする。通関業務は全て業者が代行してくれる。
梱包、搬出作業時も注意が必要。アパート備え付けの食器や調理道具は持ち出せない。「引っ越し便で送る物、手荷物で持っていく物、処分する物を事前に分けておくとスムーズです」と志水さん。パスポートなど貴重品は必ず自分で管理しておく。
持ち帰る物にも注意が必要だ。偽ブランド商品や海賊版CD・DVD、ワシントン条約に該当する物品等は関係機関の公式ウェブサイトで事前確認しておきたい。ヘビやワニ革の財布などもインドネシア政府機関が発行した正式書類がないと日本に持ち込めない。土産物屋が発行した書類は何の効力もないのが実情だ。「ほかにも化粧品や薬品などにも注意が必要です。お子さんが海で拾ったサンゴのかけらでもだめです」。木製家具、調度品など意外なところではアンクロンなどにも気を付けたい。白アリなど虫が食いやすいものは要注意。梱包時に虫がいることが分かり、持ち出せないケースも多いという。また犬などペットの持ち出しには動物検疫が必要なため時間がかかる。「分からない点も含め業者に希望を全部伝えてください」と志水さんは話す。
帰国日が決まると会社関係や所属する趣味のサークルなどでの送別会が多くなる。その中での引っ越し作業は大変だ。トラブルなくに進めるためにも、早め早めを心掛けたい。(阿部敬一)
◇取材協力 佐川急便インドネシア 同社ではイ国内の引っ越しや国際宅配便など引っ越し及び物流業務全般を手がける。詳細は携帯0813・8502・8880 メールcs@sagawa-id.comまで。