【じゃらんじゃらん特集】 華麗でダイナミック インド舞踊を習う
インドネシアの人々にインド舞踊に親しんでもらおうと、中央ジャカルタ・メンテンにあるインド文化センター(ICCR)はさまざまな種類の舞踊教室を開いている。バリ舞踊などを学んだことのあるジャカルタ在住の外国人らも参加し、華麗でダイナミックな動きに磨きを掛けている。
両面太鼓の躍動感あるリズムにバイオリンやフルートの音色が響く。テンポが加速するとともに、踊り手の手足の動きも激しさを増していく。インド4大舞踊の一つ、「バラタナティヤム」のクラス。来月4日、同クラス開講1年の節目にインド大使館で開かれる発表会に向け、仕上げの練習に熱が入る。
この踊りは、南インドのタミルナードゥ州発祥の「デバダシ」と呼ばれる巫女の奉納舞が起源といわれ、19世紀初頭に現在の様式に形式化されたものという。足を外側に開いて膝を曲げる「アラマンディー」という姿勢でステップを踏みながら、指先の形を次々に変え、目の動きや口元で感情を表現する。一つの演目の中に「恋情、笑い、悲しみ、怒り、嫌悪、驚き、平安、勇敢、恐怖」の九つの感情を盛り込む。
開講以来、回数を重ねるごとに生徒が増え、現在26人。インド人駐在員の子どもたちも多い。生徒たちの体の動き一つ一つを確認していくのは、ダンサーで振り付け師でもあるインド人のシンドゥー・レイさん。自ら手本を示して丁寧に指導していく。バラタナティヤムを習得するのは6〜7年かかると言われる。それでも毎週練習に来て、日々上達していく生徒たちを見ると誇りに思うという。
シンドゥーさんは「深いストーリーを持つインドの伝統舞踊の追求に終わりは無い。表情の一つ一つを魅せることで観客とつながってほしい」と語った。
バリ舞踊をやっているという外国人女性は「この踊りは膝に重心を置くなど足腰を使う。バリとは違う力強さを表現するところに引かれた」と話す。バリやジャワにはラーマーヤナのように共有するインドの古代叙事詩がある。踊りや音楽が紡ぎ出す物語に通底するものがあるようだ。(西村百合恵)
♢バラタナティヤムの他に東インドの古典舞踊「カタック」やヒンディー語、タミル語、ヨガなどのクラスも開講している。バラタナティヤムは毎週土曜日、午後1時〜同3時。入会金5万ルピア、月謝が3カ月ずつの支払いで月額4万ルピア。バラタナティヤムの指導はすべて英語。
来月4日の発表会は開演午後6時、クニンガンのインド大使館で行われる。鑑賞料は無料。
♢インド文化センター
Jalan Pandenglang No.44 Menteng Jakarta
Telp:021.315.5120
メール:jniccjkt@gmail.com
ウェブサイト:www.embassyofindiajakarta.org