米に「広範な関与」要請 ユドヨノ大統領が講演 APEC首脳会議
ユドヨノ大統領は十二、十三の両日(現地時間)、米国ハワイで行われたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席した。大統領は首脳会議開幕前の十二日午前、APEC・CEO(最高経営責任者)サミットでアジア太平洋地域の経営者らとの対話を行った。近年の経済危機で先進国経済が失速したのとは対称に、インドネシアやその他の域内の国々が堅調な成長を続けたと強調。今後も適切な政策の実施を続けていけば、「二十一世紀はアジア太平洋の世紀になる可能性が広がっている」と語った。
サミットではユドヨノ大統領のほか、米国のオバマ大統領、中国の胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席との間でも対話が行われた。
ユドヨノ大統領は対話に先立つ講演で「一九九〇年代に通貨危機の影響を受けたAPEC地域は良好な経済基盤とともに再生し、近年の経済危機に対してインドネシアやその他の国が乗り越える基盤になった」と述べ、「二十一世紀は『アジア太平洋の世紀』となる良好な可能性が広がっている。この地域は世界の戦略・経済の中心地へと急速に発展を遂げている」と強調した。
また大統領は、「インドネシアは数年前、燃料に対する補助金を削減するという難しい決断を行ったことで、現在は経済の基礎的条件がより良好になり、危機にも柔軟に対処できるようになった」と述べ、欧州の債務危機が世界経済に悪影響を及ぼす中、政治決断の重要性を訴えた。
太平洋に浮かぶハワイでAPECを主催し、今週末にはバリ島で開かれる東アジアサミット(EAS)にオバマ大統領が初参加するなど、米国がアジア太平洋地域への関与を強めていることに対しては、「(協力を強化するのは)従来の友好国とだけではだめだ」と述べ、より広範な関与が必要と注文を付け、「米国が関与を強め、ともにアジア太平洋の世紀を築いていくことは米国自身にも利益がある」と主張した。