真珠の女声、日イ友好の歌声 コールムティアラ

 ピアノの音楽が鳴り出すと、主婦たちはコーラス歌手に変わる。午前中、中央ジャカルタのジャカルタ・ジャパンクラブ(JJC)会議室から、ピアノの音と清らかな女声が漏れてくる。来月7日(土)に年末コンサートを控えた女声コーラス部「コール・ムティアラ」。本番に向け、練習も大詰めを迎えている。
 「ムティアラ」は真珠の意味。ステージに立つ時には、胸に真珠のブローチを身に付けるのが伝統だ。毎週火曜の午前に音楽や歌好きの女性が集まる。年末のコンサートに向け、10月になると木曜にも練習し、ソプラノやメゾソプラノ、アルトのパートに分かれて曲を仕上げていく。
 練習中、時々、子どもの声も聞こえてくる。「始まった当初は子連れは少なかった」。発足した1977年当時を知る藤原鈴恵部長によると、当時は30〜40代の約60人が所属。反日暴動後で治安が悪く、あまり外出できなかった。「日イ友好のためにとの気負いがあり、観衆に『聞かせる』という意識が強かった。でも今では『聞いてもらう』と思うようになった」と振り返る。
 近年は企業進出が相次ぎ、子どもを連れて赴任する日本人も増えた。部員は25人と以前より減ったが「心から歌や音楽を愛する人が集まっている」。
 2年前から参加している松橋奈美さんは来イする前に、ネットで動画を見て「一緒に歌ってみたい」と入部を決めたという。大学時代は合唱部に所属したこともきっかけの一つだった。「幅広い年齢の部員がいて、生活の情報や知恵を教えてもらっている」
 ジャカルタ日本人学校(JJS)で9日開催された個人部会フェスティバルでは、混声合唱部サザンクロスとの合同コンサートを開いたほか、JJSアトリウムでもライブを実施。食事中の一般客や個人部会員の前で歌を披露し、驚きと拍手が起こった。この後、部員1人が加わった。
 コンサートに向け、体操をして、発声練習をし、パート別に、そして全体練習に取り組む。「コンサートは部員の目標です」と藤原さん。毎回、コンサートの最後に「インドネシア・プサカ」を歌う。「この歌を歌うことでインドネシア人に敬意を表したい。私たちが暮らすインドネシアに感謝の気持ちも込めている」
 今回のコンサートは2部構成。「いつも何度でも」「君をのせて」「オムレツ」などを歌い、日本人フルートサークル「キョラムーン」の演奏やムティアラメンバーのピアノの連弾もある。(山本康行)

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