【デジタル羅針盤】子守役のタブレット
仕事が終わり、夕方くらいにアパートに戻ってくると、1階にあるコンビニのイートインコーナー周辺でタブレット型端末をいじっている子どもの姿を見かける。
世間話でもしている親の横で、子どもがタブレットでゲームをしたり、アニメを見ているというパターンが多い。
ちょっと子どもを黙らせておきたい時にタブレットに子守をさせているようで疑問に感じないでもないが、一昔前でも同じような目的でおもちゃやお菓子で子どもを黙らせておくことはあっただろう。それが現代的になっただけで、たまにする程度なら悪影響というほどのものもないのだろう。
一方で長時間の利用となると、教育上、メリットが大きいのか、デメリットが大きいのかで諸説あり、はっきりしたことは分かっていないようだ。
メリットについていえば、タブレットはテレビと比べ双方向的で、パソコンよりも操作しやすく、映像や音声も利用できることは大きなメリットだ。タブレット用の教材も多数開発され、米国などを中心に小・中学校で導入されるケースもある。
また子どもの使用を想定した、機能はシンプルだが安価で頑丈な端末も発売されている。
インドネシア人の日本語学習者も特に若い人は、紙の辞書でもなく、電子辞書ですらなく、タブレットやスマートフォンの辞書アプリを使う人が多い。
音声で発音を確認できたり、漢字の筆順がアニメーション付きで分かったり、ウィキペディアとリンクされ日本独特の事柄の解説が読めたりとさまざまな工夫がされていて価格も安い。
反面、特に幼児期においては、親とのコミュニケーションや実際の物理的体験が疎かになり、発達に悪影響を及ぼすとの意見もある。
やはり使い方と程度次第というところだが、新技術には親や教師の側にも知識や経験が不十分なことが多く加減が難しい。
日本語学校を経営する身として、私もタブレットでスケジュール確認や読書をしながら、何かいいアイデアはないかと考えている。(IkuZo!日本語・マンガ学校校長、元じゃかるた新聞記者 福田健太郎)