「インドネシアにワクワク」 JKT48総合プロデューサー 秋元康氏に聞く  海外初挑戦、特色ある個性伸ばす

 日本の人気アイドルグループ「AKB48」の海外初の公式姉妹グループ「JKT48」が2日、ジャカルタで誕生した。今回初めてジャカルタを訪れ、第1期生28人を選出する最終選考に参加した総合プロデューサー、秋元康氏(55)にインドネシアの印象と今後の展望を聞いた。(配島克彦、田村慎也、写真も)

 ―インドネシア、ジャカルタの印象は。
 ◆秋元氏 バリ島の方が日本人に馴染みがあり、バリ島はインドネシアの観光地だったんだという人が多いと思う。僕自身、バリ島は何度も行ったことがあるが、ジャカルタに来たことはなかった。バリ島は観光地だから、すれ違うとみんなニコッとするのかと思っていたが、ジャカルタでも日本人、観光客に微笑む。穏やかな人々だなという印象を持った。
 ―インドネシアではムスリムが9割近くに上る。AKB48の海外初の姉妹グループを作るに当たり、社会的背景などを考え、不安はなかったか。
 ◆これから、いろんなところでAKB48の姉妹グループができていくが、あんまり身構えて、文化的、歴史的背景など、いろんなことを考えてしまうとなかなか難しいと思う。
 同じ人間なので、音楽を通じてどこか分かり合える、というところが前提になる。これまでは、この歳ならこうしなければとか、この国ではこうすべきといったことが先にあったかと思うが、まずやってみようと。その中で変えていかなければいけない部分なども出てくると思う。
 今はむしろ、われわれがインドネシアという国にワクワクするように、インドネシアのJKT48がどうなる、どういう風に人気が出ていくのだろうと楽しみにしている。
 ―日本でどのようなインドネシアの女の子が受け入れられていくか。そのイメージは。
 ◆何が求められるかということではない。僕らは日本のティーンエイジャーの女の子の気持ちも、なかなか分からない。場を作り、どういうことが起きるか。これがドキュメンタリーということだ。例えば、野球部がない高校に野球部を作ったら、どうなるか。インドネシアにディスコを作ったら、どういう人たちが集まって、どういう風にするとにぎわうのか。
 あくまでAKB48もJKT48もハコに過ぎない。そこには初めからこういう人がほしいと狙い撃ちするのではなく、そこに集まった人たちの中から「君、ステージに上ってみない」と声を掛けていく。
■歌って話せるのが特色
 JKT48では書類選考の段階から51人の女の子を見てきた。まず非常に歌が上手い。みんな物まねではなく、自分の歌唱方法で歌っている。もう一つは、自己PRで自分の言葉を持っている。通訳を通じてだが、しっかりと話していたのが印象的だった。
 歌唱力だったら、もっとハモりとか音楽的な歌唱法のテクニックを取り入れていった方が面白そうだとか、話すことがきっちりできるなら、世界のニュースなどをMCのトークの中に入れても話せるのではないか。それを見て合わせて中身を作っていく。
 インドネシアは言葉や文化など、いろいろ違うと思うが、基本は相通じるものがあって、このメンバーの中では、歌が上手い、ちゃんと自分の言葉で話せるということが特色に見えた。
 ―AKB48のフォーマットを海外に初めて持ってくるが。
 ◆ビジネスモデルとして持ってきているわけではない。応援してくれている方々がビジネスのフォーマットに置き換えているだけ。僕は単純にクリエーターなので、ここに来てどういうものを作ったらいいかということだけをやっている。
 AKB48は進化形なので、どういう風にでも動く。昔みたくコンセプトを作ってそこから逸脱しないということではない。世界中どこへ行っても、そこに女の子が集まればそれがAKB48になる。AKB48は歌ってショーをやっているが、ある所で運動神経がいい子がいれば、チアリーディングだけを見せることもできる。料理が上手ければ、レストランを展開する女の子たちのチームを作ろうとなるかもしれない。何も決めていないが、通常は入り口として、歌とダンスをうまくパフォーマンスするグループと定義付けているに過ぎない。
 ―インターネットの活用は。
 ◆方法論はあまり考えていない。AKB48が2005年12月、秋葉原の劇場でスタートしたときの観客は7人のみ。翌年2月には満員になっていた。「インターネットでこう広げよう」と狙い撃ちするのではなく、面白いものがあれば勝手に広がっていくというのが、これからの時代。
 「BSやインターネット、モバイル用にコンテンツを作ってください」と来るが、コカコーラやペプシの原液があって、これを炭酸で割るのか、温かくするのか、冷たくするのか、ヨーグルトにするのか。料理を作るのにお皿を決めるのではなく、まず紙皿の上に載せて積もったら、きれいなお皿や薄いお皿などに移していく。ユーチューブを使って何かやるのではなく、面白いことがあってユーチューブを通じて広がるということだと思う。
 ―インドネシアで気になっていることは。
 ◆まだあまりよく分からないが、穏やかさ、国民性、人柄など。あの子たちがオーディションの中で、「なぜJKT48に入りたいのか」という質問に、「お父さんとお母さんの誇りにしたい」と答えた。「誇り」という言葉を3分の1の子が口にした。これは日本では失われつつあることで、あれだけ若い子たちが単語として使っていた。「お父さん」「お母さん」「誇り」。僕が歌を作るときにも、ヒントになることは間違いない。
 ―「総選挙」など、女の子たちを競争させていくという面は。
 ◆競争は必然的。インドネシアの芸能界でも、チャートがあったり、キャスティングで落ちることもあると思う。(ステージなどでの)立ち位置も、センターや後列の子も出てくる。穏やかにチームワークで解決していくのか、戦いモードで切磋琢磨する成長の仕方や、お互いにカバーしていくパターンもある。インドネシアではどうなるのか。これからが楽しみだ。

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