【じゃらんじゃらん特集】アンクルンで「会いたかった」 プランギ・プランギ 毎週月曜に練習
インドネシアの伝統楽器アンクルンを演奏する「プランギ・プランギ」は毎週月曜、東ジャカルタのタマン・ミニ・インドネシア・インダ(TMII)で練習を重ねている。月曜の午前9時、タマン・ミニ内の西ジャワ館に足を踏み入れると、アンクルンの音色が聞こえてきた。
アンクルンはインドネシアの伝統的な竹製楽器で、調律された竹筒を竹や藤の骨組みが支えている。手で骨組みを揺らすことで竹筒が振動し、コロコロと独特の音を出す。1つの骨組みで1つの音を出すため、ハンドベルの要領で1音ずつ担当して演奏できるが、全ての音を1人で担当することもできる。2010年には国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された。
同グループではアンクルンに加え、音階順に並んだ竹筒を木琴のようにたたいて演奏する「ガンバン」や長さ2メートル近い竹筒をガンバン同様にたたいて奏でる「ロドン」を合奏する。演奏についてメンバーの遠藤純代さんは「各楽器の音がうまく重なるととても美しい音色になるのが面白い」と語る。
同グループは94年に結成。本帰国などでメンバーを入れ替えながら活動を続けてきた。帰国したメンバーの中にはアンクルンを購入して持ち帰り、日本で演奏を続けている人もいるという。3月に3人が本帰国し、メンバー6人から半減したが、今春2人が新たに加入した。
レパートリーにはクラシック音楽の定番「カノン」から日本の音楽グループGreeeeNの「キセキ」、AKB48の「ヘビーローテーション」「会いたかった」が並ぶ。
93年から邦人グループにインドネシアの伝統楽器を教えているブディ・アブドゥルラフマンさんは「こんな曲も演奏できる」と、携帯電話に保存した演歌「天城越え」を再生した。南国の楽器で奏でる日本の旋律を聞いていると、懐かしくもあるが、どこか不思議な感覚を覚える。
合奏曲は、メンバーの提案を受けたブディさんが曲を聞いて楽譜を書き起こすのだという。この日も「ゴールデン・ボンバーの『女々しくて』をやりたいです」という声が上がると、即興で演奏が始まった。(田村隼哉、写真も)◇問い合わせは青木さん(携帯0812.1850.0877)、遠藤さん(携帯0821.2242.5980)まで。