【デジタル羅針盤】 スマホの次は

 今年に入り、スマートフォンの次に来る通信機器がにわかに話題になっている。
 初代のアイフォーンが発売されたのは2007年の6月。早くも6年近くが経過。ハイペースな進化は一段落し、完成度が高まった一方で、驚くような新機能もなくなってきたためだ。
 どの機種も既に過剰なほどの処理能力を持ち、ソフトウェアも洗練され、初期のスマートフォンにあったような動作の鈍さは、余程の低価格機種でない限りお目にかかれなくなった。
 グーグルが提供するスマートフォン向けOSアンドロイドを使用する各社は、差別化のために極端な大型化や独自機能を搭載するしかなくなっている。
 搭載カメラを用いた特殊な撮影機能など、なんだか100円程度のアプリでできそうな機能が大げさに最新機種の売りとして扱われているのを見ると、テレビや日本国内で人気だった携帯電話(いわゆるガラパゴス携帯)がたどったのと同じ道を歩みつつあるようにも見える。
 アイフォーンも最新機種の販売の低調が伝えられる。その原因の一つは、前のモデルから買い換えるだけの大きな違いを生み出せなかったことだろう。
 では、スマートフォンの次にわれわれの生活に大きなインパクトを与える通信機器は何なのだろうか。
 グーグルの共同創業者で技術部門担当社長のセルゲイ・ブリン氏は2月のカンファレンスで「コミュニケーションを取るのにうつむういて画面をこするのは、身体の使い方としておかしい」と語り、同社が開発する眼鏡型の情報端末グーグル・グラスをアピールした。
 音声で操作し、視界を妨げずにさまざまな通信を行ったり、内蔵カメラで視界そのままの写真やビデオを撮り共有できるというものだ。
 一方、アップルは腕時計型の情報端末を開発し、年内にも発売されると報じられている。
アイフォーンと同様のOSを搭載し、通信やさまざまなアプリの使用が可能で、操作にはアイフォーンにも使用されている音声アシスタント機能「Siri」を用いると予想される。また、サムソンも腕時計型の情報端末を開発を進めていることを明らかにしている。
 こうした身に付ける形の端末が本当に受け入れられるかは分からないが、確かにうつむいて小さな画面に向かうよりも、自然な形で生活に溶け込むようにすることは重要な課題といえるかもしれない。(IkuZo!日本語・マンガ学校校長、元じゃかるた新聞記者 福田健太郎)

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