燃料値上げに再び意欲 政党の争い激化懸念も 大統領
ユドヨノ大統領は13日、補助金付き燃料の値上げを示唆した。大統領の経済諮問機関である国家経済委員会(KEN)との会議後の記者会見で明らかにした。
ユドヨノ大統領は「財政、経済に良くない影響を与えているため、補助金が常識の範囲を越えてはいけないということで(KENの)全員が一致した」と語り、値上げの意志をにじませた。補助金の大きな恩恵を受けているのは、主に自家用車を保有する富裕層とされ、削減された補助金を低所得者層に効果的に振り分ける政策を検討する。
KENは昨年末、1998年の五月暴動のような社会不安を引き起こすとして値上げに反対していたが、ひるがえした形。昨年の補助金は当初計上した202兆ルピアを大きく超過し、歳出の22%を占める306兆ルピア(約3兆円)まで拡大した。
ユドヨノ大統領は次期大統領候補として有望視されるプラボウォ・スビアント氏との12日の会談で、同氏に対し、燃料値上げを推し進めることで協力を要請したという。
燃料値上げをめぐっては昨年3月末、政府は国家予算の改訂により値上げに踏み切ろうとしたが、デモが全国に広がった結果、ゴルカル党など与党が造反するなどしてとん挫しており、14年の国政選挙をにらんだ政党間の争いを激化させる可能性もある。