トヨタが新興国戦略車 小型車需要拡大で取り込み エティオスを製造・販売

 トヨタ自動車の現地法人は11日、新興国向け戦略車として開発されたエティオスのハッチバック車「エティオス・ファルコ」の製造・販売を開始したと発表した。インド、ブラジルに次ぐ3カ国目の製造で販売は南アフリカを加えた4カ国目。需要が急速に高まるハッチバック車のラインアップを強化し、拡大する自動車市場でのシェア確保を図る。

 西ジャワ州のカラワン工業団地(KIIC)内に完成した現地製造法人トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・インドネシア(TMMIN)社のカラワン第2工場で生産。TMMIN社の野波雅裕社長によると、部品の現地調達率は55%で将来的には80%を目指すという。
 販売価格帯は1億3550万〜1億6160万ルピア(約135万〜161万円)で、今年の販売目標は月2千台。最大で年11万台までの生産能力引き上げを予定する同工場では、今年1万9千台以上の生産を目指す。まずは国内向けの供給を想定している。
 トヨタのハッチバック車は、すでに販売しているヤリス(日本名・ヴィッツ)のほか、施行が最終段階に近付いているとされる優遇税制「低価格グリーン・カー(LCGC)プログラム」を適用する予定の「アギア」もすでに発表されている。小型ハッチバック車が中心となるシティカー部門の国内市場規模は、2009年に4万3千台だったのが、昨年は11万8千台と3倍近くに達しており、各社が新モデルの投入を進めている。トヨタは、販売価格が2億ルピア前後のヤリスと、1億ルピア前後とみられるアギアの中間帯の車種を出すことで、今後も拡大が見込まれる部門での需要取り込みを図っていく方針だ。
 「エティオス・ファルコ」は、インド向けとして2006年から企画を始めたエティオスを、インドネシアの需要に合わせて大幅に変更したもので、内装は黒と灰色の二色で統一し高級感を演出。幅広い内部構造に加え、洪水などの対策として最低地上高を17センチに高め、長く座っても疲れにくいシートを使用するなどの設計を採用した。助手席のグローブボックスを冷却する機能なども付けた。
 1.2リッターエンジンを搭載し、中南米の自動車衝突テスト(ラテンNCAP)で同セグメントで唯一となる5段階評価中の4を取得したブラジルでの生産と同様、最新のボディ構ン造でデュアル・エアバッグを装着するなど安全性にも配慮した。マニュアル車のみで、外装は白、青、黒など6色。(赤井俊文)

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