歩道橋にエスカレーター マンション運営会社が寄贈 バス停留所に連結 中央ジャカルタ サレンバ・ラヤ
中央ジャカルタ・サレンバ・ラヤ通り沿いの歩道橋にエスカレーターが設置され、6日から使用が始まった。歩道橋前に建設予定の高層マンションの運営会社が用地をジャカルタ特別州政府に提供、実費で建設したもので、24時間体制で維持管理も行う。
設置されたのは、トランスジャカルタの第5路線(アンチョール〜カンプン・ムラユ)のサレンバ・カロルス病院停留所前。通りを挟んで病院の反対側に、高層マンション「キャピトル・パーク・レジデンス」を建設しているキャピトル社が、マンションの駐車場の一角114平方メートルの土地を州に提供。既存の歩道橋と連結させたガラス張りの建物の中にエスカレーターを設置した。向かいの病院前は従来のスロープのままだ。
ショッピングモールにあるような清潔なエスカレーターは利用者に好評だ。医師のヘルティアンさん(68)は「トランスジャカルタのスロープは非常に長い。足が悪い患者の負担が減る」と歓迎。バス利用者のアリ・クルニアサリさん(56)は「(西ジャワ州)デポックからよくサレンバに来るが、バスに長距離乗ってからさらに階段を上り下りするのはしんどい。本当に助かる」と話した。
エスカレーターは24時間稼働し、午後11時〜午前5時は光学式センサーに切り替え、利用者が乗ったことを検出して起動する。キャピトル社は、警備員と清掃員の2人をエスカレーター前に常駐させて管理している。
同社のマンション建設工事は始まったばかりだが、ホテル・インドネシアまで3・2キロメートルで、インドネシア大学や国立チプトマングンクスモ病院、24時間営業の米系ファストフード店などが並ぶ立地の良さのほか、エスカレーター付き歩道橋をセールスポイントの一つに挙げてプロモーションを展開。目抜き通りのタムリン、スディルマン通りと比べ、都心の裏通りのようなイメージの刷新を図る。
6日の利用開始日には、ジョコ・ウィドド知事も訪れた。同知事は3カ月ほど利用状況を見て、適切に管理されていると判断できれば、他の歩道橋にもエスカレーター設置を呼びかけていくとの意向を表明。「タムリン通りのエレベーターのように、設置しても利用されないなら意味がない」と述べ、故障して放置されることのないよう管理に努めてほしいと呼びかけた。(赤井俊文、写真)