インドネシアが3位に JBIC有望展開先国調査 前年から2位上昇 内需が製造業引きつける

 JBICがこのほど発表した「2012年度海外直接投資アンケート結果」で、インドネシアは今後3年程度の中期的な有望事業展開先国・地域で中国、インドに次ぐ3位になった。前年の5位から2ランク上昇し、「成長を続ける国内市場が有望」とする理由が多数を占めた。インドネシアは1997年に3位となったのを最後に下落を続け、2006年は9位となったが、その後、じわじわと再上昇。中国での事業展開が一服する中、拡大を続けるインドネシアの内需が製造業を引きつけた格好だ。
 中国は現在の形式で調査を開始した1992年以来、20年連続で1位を確保した。尖閣諸島をめぐる反日デモ以前の回答が多かったが、得票率は昨年比で10%下落した。回答企業の約8割がすでに中国に生産拠点を有している。ただ、尖閣問題が先鋭化した後の11月に288社が回答した追加アンケートでも中国は得票率59.7%で1位を保っており、依然高い比重を占めている。インドが2位。インフラ、法制、労務などが懸念され伸び悩んだ。
 タイは洪水後も底堅く4位。自動車関連を中心に進出が拡大するメキシコが初の10位以内の7位に入った。ミャンマーは、「有望」と回答した企業が7社から51社まで増え、19位から10位まで上昇したが、具体的な事業計画があると回答したのは51社中11.8%に留まった。ほか、毎年増減の激しいカンボジア、バングラデシュ(ともに16位)が前年に引き続き20位以内に入った。JBIC業務企画室調査課の山口陽子調査役は、中央ジャカルタのホテルで5日開かれた報告会で「中国から若干分散化の傾向がある」と分析した。
 インドネシアを有望とした企業は11年比で67社増加し、208社に達した。08年の41社の約5倍の回答を集めており、この5年で急速に増加。83.7%の企業が理由として国内マーケットの成長性を挙げている。業種別でも自動車、一般機械、化学で3位と広範な業種が有望視した。
 インドネシアで具体的な事業計画があるとの回答も、09年の19社から99社まで増加。ユドヨノ大統領が再選され、政情安定の見方が支配的になったこと、リーマンショックの影響が少ないことが判明したこと、内需の拡大などが要因とみられる。
 生産拠点の有無で、インドネシア事業への認識が異なることも明らかになった。拠点を有する企業が課題に挙げるのは、労働コストの上昇、労務問題などで、1〜3位を占めた。インフラ未整備は4位に留まった。一方、拠点を保有しない企業ではインフラ未整備が1位となり、労務関連の回答は6位以下だった。
 アンケートは生産拠点1社を含む海外現地法人3社以上を保有する、日本の製造業企業613社が回答。昨年7〜9月にアンケートを回収。8〜10月に企業訪問、電話ヒアリングも追加した。(吉田拓史)

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