きょう改造人事発表 ユドヨノ大統領 新商業相にギタ氏 ダフラン氏入閣へ
ジュリアン・パシャ大統領報道官は十七日、ユドヨノ大統領が十八日午後八時に内閣改造人事を発表すると明らかにした。ユドヨノ大統領は十七日、新商業相候補とされる投資調整庁(BKPM)のギタ・ウィルヤワン長官ら、横滑りや新任見込みの六人を中央ジャカルタの大統領官邸に呼び出し、閣僚就任に向けて面談。二〇〇九年十月に発足した第二期ユドヨノ政権初の内閣改造で、十九日に新閣僚が正式に就任し、改造内閣がスタートする。
同日、官邸で大統領と面談したのはギタ氏のほか、新法務人権相候補のアミル・シャムスディン民主党最高顧問会議委員、新国家行政改革担当国務相候補のアズワル・アブバカル元アチェ州知事代行(国民信託党=PAN)、新国民住宅担当国務相候補のジャン・ファリズ・ジャカルタ特別州議会議員(開発統一党=PPP)、新国家情報庁(BIN)長官候補のマルチアノ・ノルマン・ジャヤ師団(ジャカルタ軍管区)司令官、新国営企業担当国務相候補のダフラン・イスカン国営電力会社PLN社長(元ジャワ・ポス・グループ会長)。地元メディアでは、新任のほか、複数の閣僚が横滑りすると報じられている。
ギタ氏は大統領との面談後、記者団に「世界経済に不安感が漂っており、われわれは輸出量を監視しなければならない」と述べ、輸出量の減少も考えられる中、「国内市場の活発化にも注力する」と語った。
■「妥協の産物」
ユドヨノ大統領はこれまでに、新副大臣候補十三人と面談。これまで十人だった副大臣ポストが十九人になる見込みで、ポスト拡充は「効率性を損なう」との批判が上がっている。これについてインドネシア大の政治専門家アルビ・サニット氏は「連立与党を刺激せずに、国民の『専門家を内閣に入れるべき』という声に応えた形」と分析。連立与党への閣僚ポストの配分を減らさずに、副大臣に高級官僚や学者など各分野の専門家を配置する「妥協の産物」との見方を示した。
■新自由主義批判も
ギタ氏が商業相に就任することが確定的になったことで、同氏の就任に反対するデモが中央ジャカルタのホテル・インドネシア(HI)前ロータリーなどで行われた。
デモ隊は「新自由主義者が国内産業を破壊する」などと主張。米ハーバード大で修士号を取得し、外資系金融機関などの勤務を経たことなどから、抗議の対象になったものとみられる。