5年間の優先計画発表 交通、保健など9分野 ジョコウィ知事

 ジャカルタ特別州のジョコ・ウィドド(通称・ジョコウィ)州知事は5日、2013〜17年の中期開発計画の骨子を明らかにした。日に日に悪化する渋滞の対策から、洪水でぜい弱さを露呈した治水機能の改善、保健や文化振興まで9分野を優先項目に設定。個別の項目では、MRT(大量高速交通システム)やモノレールの建設、行政サービスのオンライン化などを盛り込み、ソロで挙げた成果をジャカルタでも再現していく意欲を見せている。
 中期開発計画は今後5年間にジャカルタ特別州が進める政策の指針となるもの。選挙活動中からの公約や知事就任後の情勢変化を受けて決定した計画などをまとめた。
 地元メディアによると、同日、州議会議員や中央政府の各省高官、首都圏の他の自治体の幹部らを集めて行われたジャカルタの開発計画に関する会合で、ジョコ州知事は「九つのプログラムを5年間に完了しなければならない中期開発計画の優先項目として盛り込む」と話した。
 MRTとモノレールの建設について、「双方とも今月にも着手できればと願っている」と述べ、すでに計画が進んでいるMRTだけでなく、とん挫したままだったモノレール建設を再開する方針を明らかにした。
 公共サービスの改善について、ジョコ知事は「まずは(机と机の間などの)仕切りをなくし、すべての人が仕事ぶりや成果を見えるようにする」と透明化を進めていく方針を示した。

■優先項目の9分野
 (1)公共交通機関の推進
 ・バスレーンの路線拡大
 ・バスレーンの車両数引き上げ
 ・中型バスの路線再編と車両刷新
 ・MRTの建設
 ・モノレールの建設
 (2)洪水対策
 ・池、ダム、貯水池の開発
 ・河川と水路の整備
 ・干拓制度の促進
 ・堤防の強化
 ・浸透井戸と簡易浸透マスの設置
 ・地下トンネルの建設
 (3)住宅とカンプンの整備
 ・パサール、保健・スポーツ施設を併設した賃貸公営団地の建設
 ・高層住宅の開発促進
 ・カンプンとスラムの整備
 (4)緑地空間の促進
 ・土地収用やデベロッパーの貢献を通じた緑地空間の増加
 ・公園や緑地空間の造成、整備における民間や市民の役割強化
 (5)カキリマ(移動式屋台)の整備
 ・オフィス・商業地域におけるカキリマの行商人への用地提供
 ・カキリマ専用モールの建設
 ・伝統市場の改善
 (6)教育促進
 ・12年間の義務教育制度
 ・カード(カルトゥ・ジャカルタ・ピンタル)を通じた補助金制度導入
 ・学校校舎の建設
 ・教師の能力向上
 (7)保健促進
 ・カード(カルトゥ・ジャカルタ・セハット)の制度導入
 ・保健所の入院設備促進
 ・総合病院の3等病室の拡充
 ・伝統市場や団地での保健サービス導入
 (8)文化振興
 ・ブタウィ文化センターの促進
 ・旧市街(コタ・トゥア)の再活性化
 ・国際水準の文化イベント開催
 ・ブタウィに根ざした文化振興
 ・州運営となる大モスクの建設
 (9)公共サービスの拡充
 ・区・町レベルでの上級サービス
 ・オンライン納税制度導入
 ・オンラインの許認可サービス導入
 ・窓口の統合

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