初の10万人突破 昨年のイ人訪日者数が急増 JNTOの旅行者数推計値

 日本政府観光局(JNTO)が25日に発表した2012年の訪日外客数の推計値で、インドネシアからの訪日者数が10万1600人を記録し、初の10万人を突破した。最大の韓国(204万人)や台湾(146万人)、中国(143万人)と比べると数は小さく、14番目だが、前年比の伸び率では、79.9%増のタイ(26万800人)に次ぎ、主要国・地域で2番目となる64.1%増。海外渡航者が年々増えているインドネシア人を誘致しようと、JNTOは5月にもインドネシア事務所を開設する予定で、日本観光の促進活動が一層活発化しそうだ。

 インドネシアからの訪日旅行者数は、2000年〜09年まで5〜6万人台で推移し、10年の8万632人が過去最高だった。11年は東日本大震災の影響で6万1911人に落ち込んでいた。
 JNTOシンガポール事務所の伊藤亮次長は、インドネシアからの訪日観光客が増えた理由について?経済成長による所得増?東京〜大阪の観光名所を巡る「ゴールデンルート」以外の観光地の知名度向上?格安航空会社(LCC)の日本発着便の増加?好成績を残した従業員や販売員に与えるインセンティブツアー(報酬旅行)の増加―の4点を挙げた。
 「これまでシンガポールやマレーシアなどの東南アジア域内を旅行していた層の所得がさらに上がり、日本を旅行できる水準になった。学校休暇の6月、レバラン(断食明け大祭)休暇の8月、クリスマス・年末休暇の12月に、15〜20人の団体ツアーが増えた。団体客だけでなく、LCCの日本発着便増加で、カップルや友人同士で日本に旅行する人も増えている」と説明した。
 ゴールデンルート以外では、北海道や黒部立山アルペンルートなどの旅行者が増加。インセンティブツアーは、日系メーカーの販売代理店などを中心に増えているという。
 訪問者数では、100万人を超える韓国、中国、台湾と比べてまだ小さいが、今後の潜在的需要は高い。伊藤次長は、所得増や親日国であることを背景にインドネシアからの訪日観光客の伸び率はさらに高まると予測。JNTOジャカルタ事務所設立を一つの契機として、旅行販売代理店との協力を強化し、日本観光促進をこれまで以上に進めていく方針を示した。
 2012年の全体の訪日者数は、史上2番目となる836万8100人。過去最高となった震災前の2010年(861万1175人)と比較し、国別で最大の韓国は16.1%減、2位の中国は1.2%増、他の主要国であるカナダやフランス、ドイツは2桁台のマイナスだった。東南アジア諸国は好調で、マレーシア、タイ、ベトナム、インドネシアがそれぞれ2桁台のプラスだった。
 12月単月の訪日インドネシア人は過去最高の1万3400人。前年同月比42.1%増、10年比で20.5%増だった。(堀田実希)

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