都心の主要道は回復 西運河の修復急ぐ

 首都圏広域を襲った洪水は18日、ジャカルタ中心部をはじめとする各地で水が引け、17日終日まひしたタムリン通りなど都心の主要道は平常時の状態に戻った。しかし、一部の高速道路は、水位が低下したものの数十センチの冠水が続発しているほか、西運河の決壊や駅などの冠水被害で鉄道網はダイヤが乱れ、公共バスなど交通機関の運休も相次いでいる。
 国家防災庁(BNPB)は、家屋浸水などの被災者は11万人を超え、1万5千人が避難していると発表した。州内68カ所に設置された避難所に収容し、炊き出しなどを行っている。浸水したオフィスビルや民家などは排水ポンプを使用し、水をくみ出す作業に追われた。
 18日未明まで冠水していたジャカルタの目抜き通り、タムリン通りの水は引け、スディルマン通りからホテル・インドネシア(HI)前ロータリー、モナス(独立記念塔)広場まで通常通り通行できるようになった。
 濁流が流れ込んだタムリン通りのオフィスビル、UOBプラザでは、地下駐車場に取り残されたクリーニングサービス作業員1人が同日朝、約24時間ぶりに救出された。タイヤにつかまって浮かんでいたという。
 17日朝に南ジャカルタのマンガライ水門が開放され、流量増加で決壊した西運河のラトゥハルハリ付近は18日も冠水が続いた。決壊したのは北朝鮮大使館前の防水堤約30メートルで、州公共事業局は重機を使って修復工事を開始。陸軍特殊部隊(コパスス)ら軍人も出動し、土のうを積むなどしているが、濁流をせき止めるのには時間がかかりそうだ。
 ジョコ・ウィドド・ジャカルタ特別州知事は、西運河決壊がHI前ロータリー周辺の冠水を引き起こしたと説明。メンテンとクニンガンを結ぶ橋周辺に、多数設置された大型看板の影響で地盤が緩くなり、決壊の原因にもなったとし、今後、運河沿いを整備し、看板も撤去するとの方針を示した。

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