北国と南国が共演へ かまくらでササンド奏でる 来月の横手の雪まつり 海外から初参加
秋田県横手市の冬の風物詩で、地元の子どもがかまくら内で観光客をもてなす「横手の雪まつり」(来月14日〜同16日)に、インドネシア最南端にあるロテ島(東ヌサトゥンガラ州)発祥の伝統弦楽器「ササンド」奏者のザカリアス・ンダオンさん(34)=同州クパン=とインドネシア政府関係者らが参加し、自国文化を発信する。海外からの参加者がかまくらを運営するのは初めて。地元・横手市も南国とのコラボレーションを楽しみにしている。
まつりでは、市内の広場など並ぶ約80個のかまくらが呼び物になっている。14、15の両日の夜には、かまくら内で地元の子どもが甘酒や七輪で焼いた餅などを来客にふるまう催しがある。
インドネシアからの訪問団はザカリアスさんのほか、観光創造経済省や報道関係者ら約10人。竹筒に銅線の弦を張り、ロンタール(シュロやし)の葉で周りを覆った独特の形状を持つササンドをザカリアスさんが奏でるほか、他の参加者も国産のコーヒーや紅茶、お菓子で観光客をもてなし、インドネシアを紹介する。ザガリアスさんは現在、秋田民謡「ドンパン節」などを練習しているという。
市内に居住するインドネシア出身者に市が声を掛けたところ、一部が協力を表明。インドネシア勢のかまくらの運営を手伝う。
観光物産課の担当者は「ほとんどの市民にとってササンドの演奏を聞くのは初めてだろう」と、文化交流の機会になることを期待。訪問団によって、横手市観光がインドネシアで認知されることも願っている。
文化創造省は「インドネシア観光のピーアールとともに、日本の観光地の現状を調べたい」と目的を説明。市内のほか、17、18の両日には田沢湖や乳頭温泉など県内の観光名所を巡る予定だ。(道下健弘)