日本食品を売り込み 麺やふりかけなど40商品 GIでアンテナ店
多彩な日本産加工食品を知ってもらおうと、ヴォークス・トレーディング(東京都)などは10日、中央ジャカルタの高級モール「グランド・インドネシア」(GI)東館地下のスーパー内に、アンテナショップの「ジョイ・フード・ジャパン」を開設した。3月9日までの2カ月間、商品を周知するとともに、まとめた反応などを国やメーカーに提供し、今後の本格的な輸出展開に生かす。
中小企業を中心に各地の20社が、海苔製品やせんべい、麺、茶、ふりかけなど約40品を試験的に販売。現地スタッフが商品の説明にあたり、一部商品の試食もできる。農業者が加工や流通にも関わる農業の「6次産業化」を推進する日本の農林水産省が、輸出拡大を図るための販売拠点構築として、経費を補助した。
インドネシアでも都市部では和食レストランが増えるなど、一部の食材は市場に定着してきたが、今回出品されたわらび餅など、まだ認知度の低い商品はたくさんある。これらの商品を製造する中小企業は海外流通に携わる専門部署がない場合がほとんどで、検疫や輸入登録など制度面の障壁や現地の輸入業者を見つける難しさがあり、独力での市場参入には二の足を踏みがち。今回のPRを通じて、有望視されるインドネシア市場への参入の足がかりにしたい考えだ。
同日のオープニングセレモニーで大垣親弘取締役は「イベントを通じて多様性と豊かさに富んだ日本食文化の発信ができればうれしい」とあいさつ。大使館の高畠和子一等書記官(農業・食品担当)は「人は新しい食品に好奇心を持つ一方、よく知らないものを選ぶのはためらう。食品がおいしく、高品質でも、よく知らなければ試そうという気にはならない」と指摘し、来場者に対して積極的に商品を周知するよう、売り場担当者に求めた。(道下健弘、写真も)