「ぶれない」指導者に 次期大統領に心構え指南 インタビューでユドヨノ氏 「後継」明言避ける

 大統領選挙を来年に控え、ユドヨノ大統領はこのほど、次期大統領などに関する質問に答える民放メトロTVのインタビュー番組に出演した。2004年に就任し、政治と経済の安定をもたらす一方、重要政策の決断を先送りするなど指導力の欠如を指摘され続けてきたユドヨノ氏は、大統領に必要な資質として、誠実さと才覚、清廉な経歴とともに、強い指導力を発揮するための信念とぶれない人格を列挙。初の直接選挙で選出され、2期10年の任期を終えようとする大統領の自負をのぞかせた。
 憲法で大統領の3選は禁じられており、すでに2選しているユドヨノ氏は2014年の大統領選に立候補することはできない。
 同TV編集局副局長で人気女性ニュースキャスターのナジュワ・シハブ氏のインタビューに答えたユドヨノ氏は「大統領を目指す人は国民に対して(大統領就任後は)何をしたいのか、どのような方向性を目指すのかを説明しなければならない。目をつぶってギャンブルのように選んではいけない」と強調。メディアに対して、「候補者が描く将来像や考え方を理解できるよう」積極的に国民に情報を発信すべきと促した。
 「今現在、私の中で『英雄』はいない」とも述べ、具体的な候補者名や後継候補については明言せず、「最良の候補を大統領に選ぶための民主的手続きを待たなければいけない」とだけ語った。
 ユドヨノ氏の出身母体である民主党では、以前は有力候補とみられていたアナス・ウルバニングルム党首に汚職騒動が持ち上がるなどしてユドヨノ氏の後継候補選びが難航しており、党外部の有力者を擁立することを検討している。
 党幹部からはアニ・ユドヨノ大統領夫人などユドヨノ氏の親族を擁立すべきとの声が上がっているが、ユドヨノ氏自身は親族の大統領選出馬に否定的な見解を示している。
 大統領選の有力候補としては、闘争民主党(PDIP)党首のメガワティ前大統領やグリンドラ党創設者のプラボウォ・スビアント元陸軍戦略予備軍司令官、すでに党が正式な大統領候補と発表しているアブリザル・バクリー・ゴルカル党党首らの名前が挙がっている。

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