ネットで「密室」公開 予算、事業、視察、会談 閲覧数計574万回 ジャカルタ特別州政府 公式チャンネル1カ月

 ジャカルタ特別州政府が先月26日に開設した動画共有サイト「ユーチューブ」の公式チャンネル「Pemprov DKI」が、約1カ月で574万回の閲覧回数を記録した。先月15日に就任したジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)知事とバスキ・チャハヤ・プルナマ(同アホック)副知事が推進する自治体透明化の一環で、正副知事の日々の活動を紹介。予算や事業に関する州幹部との緊迫した議論のほか、閣僚や議員、コンサルタントらとの会議の様子なども公開しており、汚職の温床となってきた「密室」が開示されたことで反響が広がっている。
 
 開設から約1カ月で投稿された動画は161本。州情報通信局の撮影班が正副州知事の活動を録画し、ユーチューブに投稿する。長大な会議などは3、4本に分け、一部終始を公開している。
 チャンネル登録者数は約2万人。
 これまで最も注目を集めた動画は今月8日の公共事業局の予算説明会議で、閲覧数は135万回に達した。副知事と同局幹部らが予算額やその使途を一つずつ議論。中でも、高級住宅地が広がる北ジャカルタ・プルイットの警察詰め所建設費10億ルピアや、340億ルピアが計上された消防署などを問題視。激昂した副知事が予算の25%削減を命じる様子が物議を醸している。
 28日には、正副知事が事業開始に慎重な姿勢を示している都市高速鉄道(MRT=大量高速交通システム)に関する会議の映像を公開した。計100分にわたり、州営MRT社社長らがMRT事業の経緯に始まり、円借款の諸条件、国際協力機構(JICA)などとの協議の進捗状況について説明する様子を収録。公開1日で500件以上のコメントが寄せられている。
 老朽化した公共バスのメトロ・ミニに関する会議では、改革案を説明するコンサルタントに対し、副知事が次々と不明瞭な点を喝破。「補助金は出さない。運賃は(1人当たり)5千ルピアでできるのか」「新車両600台の一括納入は可能か」と矢継ぎ早に質問を浴びせていく。
 バスキ副知事が庁舎で連日会議を開いたり、労働者や学生など各団体の代表者との面会をこなしたりする一方、ジョコウィ知事の映像は各地の視察を収録したものが多い。
 選挙戦で立ち寄った屋台では「また来るからとの約束を守ってくれた」と店主の女性が大歓迎。露天商(カキリマ)に立ち寄り、値切りながらシャツを買う様子も収められている。
 庁舎講堂に州内の郡長や町長が一堂に会した会議では、ジョコウィ知事が各役場で取り組むべき業務について訓示する様子も公開。雨期の本格化で洪水対策への関心が高まる中、ごみが詰まった排水溝や路上に放置されたごみの山をスクリーンに映し出す。街角の至る所に堆積するごみが洪水の一因であることを示し、末端レベルで何をすべきかを説く。
 正副知事の活動に関する報道は、これまでマスコミの番記者のぶら下がり取材などに限られていた。このチャンネルではぶら下がりも編集せずに、正副知事が立ち去るまでの一部終始を公開している。
 州政府は2001年、ウェブサイト「ブリタ・ジャカルタ」を開設したが、あくまで広報の範囲内で会議などの様子を公開するのは初めて。
 バスキ副知事は「私たちの活動はすべて公開していく。何に使われる予算なのか。会議で話し合っていることを市民に知ってもらいたい」と話している。

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