縦割りも効果的? 仙谷民主党副代表 震災対応振り返り
ジャカルタを訪問中の仙谷由人・民主党副代表は13日、インドネシア政府が開いたフォーラムで、内閣官房副長官として対策にあたった東日本大震災をテーマに講演した。自衛隊や警察、国交省などの災害対応について、「各部署が上からの命令で被災地に集まり、大変有機的に動いた」と紹介。霞が関改革を主張してきた仙谷氏だが、「縦割り組織」を持ち上げる一幕があった。
仙谷氏は講演後半の質疑応答で、同震災は自治体単独の対処能力を超えた規模だったと説明。国交省や農林水産省の出先機関を例に挙げ、「(公共事業の減少で)日頃は仕事をしているのかしていないのか分からないというふうに国民に見られている部署が、危急時に大活躍した」と賞賛した。
一方で、「(災害発生時に)総合司令部がすぐできあがり、そこでの政治決定が各部署に指示され、即座に動き出すシステムの確立が肝心」との指摘も忘れなかった。
「政治主導」を掲げた民主党は政権交替を機に事務次官会議を廃止したものの震災直後、同会議と形態がよく似た「被災者生活支援各府省連絡会議」を立ち上げ、政と官との連携を強化した経緯がある。
仙谷副代表は講演後の取材で、「平時の垣根の下でやろうとしても、ゴロが転がっても人任せでだれも捕球しない、へぼ野球と同じだ」と例え、あくまで「政治決定」が前提との姿勢は崩さなかった。
シンポジウムにはインドネシア政府関係者ら約40人が参加した。(道下健弘、写真も)