初のCDを制作 バリ人専門家が絶賛 バリ在住日本人女性・竹のガムラン楽団 「スアール・ドゥイストリ」
バリ島に住む日本人女性らによるグランタン(竹のガムラン)楽団「スアール・ドゥイストリ」が結成から18年目を迎え、初のCDと演奏の様子を収めたDVDのセット「スアール・ドゥイストリ」を制作した。
楽団は1994年、一時は途絶えていた巨竹のガムラン(ジェゴク)を再興した人物として知られるスェントラさんの助けを得て結成された。現在のメンバーは当初の2人を含めて9人。ジェゴグの作曲家ニョマン・スタマさんの指導の下、猛練習を重ね、これまでバリの選び抜かれた芸術家が一同に会するバリ芸術祭やマレーシアで開かれた国際ガムラン・フェスティバルにも出演した。
演奏するのはスタマさん自作の伝統的な曲や日本の民謡。グランタンに使われる竹はジェゴグより細いが、5音階あり、4音階でリズム重視のジェゴグに比べて複雑なメロディーを奏でることができるという。
CD制作を思い立ったのは2年前。「熱心さと、持ち前の賢さで素晴らしいレベルに達した彼女たちの演奏を記録として残したかったから」とスタマさんは話す。CDはバリの芸術大学の教授らにも聞かせたが、あまりの上手さに日本人女性が演奏しているとは信じられないと言われたそうだ。
15年来のメンバーの片寄美恵子さんは「グランタンは楽譜がないので、曲を忘れてしまうことがある。今回、このような形で記録が残せてとてもうれしい」と話した。CDはバリの伝統音楽作品で知られるマハラニ・レコードから発売されている。(北井香織、写真も)