初の2日連続公演 学生劇団「en塾」 「吾輩はニャンコである」 ダンスバトル、舞台は大正

 インドネシア人学生日本語ミュージカル劇団「en塾(エンジュク)」は27日(土)と28日(日)、中央ジャカルタのジャカルタ芸術劇場(GKJ)で、日本語ミュージカル「吾輩はニャンコである」を上演した。昨年まで「雪女」「浦島太郎」など、3年連続で日本の昔話をテーマにしてきたが、今回は大正時代の下町を舞台にしたオリジナルミュージカルで、初の2日連続公演。団員らは躍動感のあるストリートダンスやユーモア、歌を織り交ぜながら、約2時間にわたる日本語ミュージカルを熱演した。(小塩航大、写真も)

 ある日、西町で暮らすネコが東町に迷いこむ。東町で出会ったチンピラのネコたちに追い掛けられ西町に逃げ戻ったところで、西町のネコたちと東町のネコたちとのダンスバトルがスタートする。
 人間に拾われたネコのニャンコは、ネコの仲間たちや人間との交流を通じて悔いのない人生を送る大切さを知る。17年間生きて天寿を全うしたニャンコは、天国で友人や人間の家族に感謝するというストーリー。笑いとダンス、歌を織り交ぜながら、ネコと人間同士の交流模様を表現した。
 ネコ同士のダンスバトルシーンでは、全員で「エグザイル」の「チューチュー トレイン」の曲に合わせて息の合ったダンスを披露。個人のダンスシーンでは、舞台を大きく動き回りながらダイナミックなダンスで観客を魅了した。
 団員58人のほかに、団員OBや子役の女の子3人が参加し、舞台を盛り上げた。当日はインドネシア語字幕のスクリーンも設置された。
 舞台の最後には出演者と観客が一体となり、福島の原発事故で故郷から避難しいる被災者へ向けてオリジナル曲「あの街でまた会おう」を合唱した。閉幕後、劇場出口で出演者が観客を見送ると、感極まって友人や家族と抱き合う団員の姿もあった。
 吉野七海さん(リア外語大に留学中)は鑑賞後、「日本語で人を感動させる演技を披露するのは難しい。日本語を熱心に勉強する姿勢をみてうれしかった」と感想を語った。
 主役のニャンコ役を務めたディオ・レスキ・ブデチさんは「初日はとても緊張したが、2日目は満足できる内容になった。団員のみんなが支えてくれたおかげです」と喜びを語った。
 en塾は09年に設立された。今回で4回目を迎えた公演で初の2日間公演を成功させた。劇団顧問の甲斐切清子さんは「緊張感もあったと思うが、一人一人が劇を成功させようと頑張った結果だと思う。全ての団員が責任感を持って支え合った」と団員たちをたたえた。

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