国内空手振興を 中師範が昇段審査 インドネシア空手アカデミー
国内で1万人以上の空手愛好家が参加するインドネシア空手アカデミー(ASKI)は25日、東ジャカルタの税関総局内の道場で、日本空手協会総本部の中達也師範を迎え初段~5段までの昇段試験を行った。当日は68人が受験し、61人が昇段。インドネシアの空手普及に向けた契機になることが期待される。
ASKIは2007年に税関総局の関連職員が創設した団体で、今年3月に日本空手協会(JKA)に正式加盟した。ASKIのウチョク・マリシ・シホタン総師範によると、ASKI前身のインドネシア空手協会から20年ほど、JKAと関係が途絶えていたが、JKAからのコーチングが必要との理由でASKIから加盟を要望したという。
西ジャワ州ブカシ在住のスルタン・ファドエニさん(18)は初段を受験。父親がASKIの会員でもあり中学2年生から空手を始めたという。「できることはやった」と答えた。
2日前にブンクル州から来たというアグン・アリキニコさん(30)は8歳から空手を学び、この日は4段を受験。道着に中師範のサインをもらい、笑みを浮かべていた。
日本のテレビ番組や映画にも出演する中師範は、直近15年間で1年の半分は海外で指導しているという。「空手が好きな人は日本文化の『自分を律する』という精神性に惹かれる人が多い、またインテリな人が多い」と話す。中師範のインドネシア初訪問は37年前、中部ジャワ州ソロで行われた大会。以降は17、22、昨年とインドネシアを訪問。今回は19日~9月2日まで、ジャカルタ、バリで指導する。
10月に群馬県高崎市で行われる船越義珍杯第16回世界空手道選手権大会では、インドネシアから24人の選手が参加予定。中師範は、「インドネシアは空手人口も多いし、レベルも高い」と期待する。(坂田恵愛、写真も)