工業団地に高校開校 MM2100 製造業の人材育成へ 地元社会と企業つなぐ
西ジャワ州ブカシ県の工業団地「MM2100」内に工業職業訓練高校(SMK)が開校した。地元の青年を製造業の現場にふさわしい人材に育成することで、地元社会と産業界をつなげようという新たな試みだ。
「SMK・ミトラ・インダストリMM2100」は生徒数240人で自動車科が4クラス、電機科が2クラス。開校に向け設立された教育財団が学校運営を行い、MM2100運営管理会社のメガロポリス・マヌンガル・インダストリアル・ディベロップメント(MMID)社と入居企業が支援する。
アブドゥル・ロキブ教頭によると、SMKは5月に入学試験を行い、応募者608人の中から240人を選考。今月9日に第1期生が授業を開始している。
構想段階から計画に携わった小尾吉弘MMID社前社長(現丸紅開発建設事業部副部長)は、高校設立の目的について、「産業界のニーズに合った学校教育を提供し、ブカシの人を育てて地元で働けるようにすること」と語った。
インドネシアでは工学部卒の大学生などは工場勤務を選ばない傾向が強い。工場で働くのは工業高校や普通高校などの卒業生が多数派だが、高校を卒業して製造業の現場に入った場合、通常、一から研修を受ける必要があるという。業界がより現場のニーズに合った教育が必要との要望を持つ中、新学校は生徒が製造業に携わるための基本的な素養を磨く場にする。
世界各国の工業団地では大学誘致の例や、高校を支援するケースは多いが、団地内で工業高校が開校したのは珍しいという。
16日、工業高校の新校舎で行われた式典で、ネネン・ハサナ・ヤシン・ブカシ県知事と倉永昌英MMID社長らが出席。同知事は「ブカシはインドネシアを代表する工業地域で、工業に関する教育は県の発展に不可欠。MM2100に感謝したい」と語った。